ロボットによる腹骨盤腫瘍手術はさほど優れてはいなかった

ロボット支援手術は腹腔鏡検査よりも手術時間は長かったものの、開腹手術と比較して明らかな違いはありませんでした。

2021年6月28日（ヘルスディニュース）-　6月29日に`米国内科学会発行の医学学術雑誌『アナルズ・オブ・インターナル・メディシン（Annals of Internal Medicine）』のオンライン版で公開された系統的レビューによると、腹骨盤手術を受けた成人において、ロボットを使用した手術は、現在、腹腔鏡検査や開腹手術に勝るような明確なメリットはなく、腹腔鏡検査と比較して手術期間が長くなるようです。

ヒューストンにある.マクガバン医科大学 のナイラ・H・ダナニ医学博士らは、腹骨盤手術を受けた4,898人の患者を対象とした50件の研究のレビューにおいて、腹腔鏡検査や開腹手術と比較したロボット支援手術からの証拠と結果について調査しました。

研究者らは、術後合併症規準 であるClavien-Dindo分類での合併症の発生率を報告した39件の研究のうち4件（10％）が、ロボット支援手術による合併症が少ないことを示していることを発見しましたが、大多数の研究で、術中合併症、転換率、または長期転帰に違いは見られませんでした。

腹腔鏡検査と比較して、ロボット支援手術は手術期間が長かったが、開腹手術と比較して明らかな違いは見られませんでした。

「ロボット支援手術は安全で効果的であることが確立されていますが、腹腔鏡検査や開腹手術よりも明確な臨床的利点はまだ示されていません。これは実質的には経済的ですが、手術時間は大幅に長くなりました。」

と著者は記しています。

「しかし、競争の激化や技術とコストの改善、そして全体的な経験の向上により、ロボット支援手術は革新的なイノベーションに進化する可能性があります。」

【以下のリンクより引用】

Robotic Platforms Not Superior for Abdominopelvic Surgery

Healthday