一般的な2型糖尿病治療薬で乳がんのリスクは上昇しない
糖尿病治療薬と乳がんの関連性の検証
糖尿病や肥満の治療に広く使用されているGLP-1RA(グルカゴン様ペプチド 1 受容体アゴニスト)の一部が、乳がんのリスクを増加させる可能性があるとの懸念が以前から示唆されていました。しかし、新しい研究では、これらの薬剤が実際に乳がんの発生率を増加させるかどうかが明らかにされました。
GLP-1RAとは?
GLP-1RAは、タンゼウム、トルリシティ、バイエッタ、ビクトーザ、サクセンダ、アドリキシン、オゼンピック(リベルサスを含む)などの薬剤で構成されています。これらの薬剤は、2 型糖尿病と肥満の治療に使用され、心臓病のリスクを軽減することが知られています。
研究の概要
研究者は、52件のランダム化比較試験を調査し、合計90,360人の太りすぎや肥満、または前糖尿病または糖尿病の成人を含むデータを分析しました。これらの研究は、最低でも24週間の追跡調査が行われており、乳がんまたは良性乳房腫瘍の症例が少なくとも1つ報告されていました。
研究結果
GLP-1RAで治療された48,000人を超える人々のうち、130人が乳がんを発症したのに対し、GLP-1RAを使用していなかった約41,000人では107人でが乳がんを発症しました。この結果から、GLP-1RAの使用と乳がんの発生率との間に有意な関連は見られませんでした。
研究者のコメント
ジョバナ・ファグンデス・ピッコリ博士は、「GLP-1RAは、2型糖尿病患者や2型糖尿病患者ではなく、太りすぎや肥満の患者の食事と運動の補助として使用でき、乳がんや乳房の非がん性腫瘤のリスクを増加させることはありません。」と述べています。
結論
この研究から、GLP-1RAは糖尿病や肥満の治療において安全であり、乳がんのリスクを増加させることはないことが示されました。しかし、治療に関する個々の状況に応じて、医師の指示に従うことが重要です。
【参照記事】
Common Type 2 Diabetes Meds Won't Raise Breast Cancer Risk: Study
Healthday