一部のゲノム部位でより多くのDNAメチル化を示す患者はメトホルミンに応答しない可能性が高いことが判明
ヨーロッパの複数の機関に所属する研究者のチームは、いくつかのゲノム部位でより多くのDNAメチル化を示す患者と、メトホルミンに反応しない可能性が高い患者との間のつながりを発見しました。
ジャーナル『Science Translational Medicine』に掲載された彼らの論文では、このグループは何百人もの2型糖尿病患者のゲノム研究と彼らが彼らから学んだことを説明しています。
2型糖尿病は、人の体がインスリン抵抗性になる状態です。
その結果、全身の細胞がグルコースを吸収できなくなり、血糖値が高くなります。 2型糖尿病患者の主な治療薬の1つは、メトホルミンという薬剤です。
体内の組織をインスリンに敏感に反応させず、血糖値を下げる働きがあります。
残念ながら、この薬は患者の約30%では想定されているように作用せず、一部の患者には副作用が見られ、そうなると薬の使用を中止せざるを得ません。
この新しい取り組みにおいて、研究者らは、DNAメチル化がメトホルミンの問題のヒントを提供するかどうかを決定しようとしました。
メチル化は細胞内の化学反応であり、分子にメチル基が付加されます。
シーケンスを変更せずにDNAセグメントのアクティビティを変更できるため、このプロセスは重要です。
メトホルミンに積極的に反応しない可能性のある患者を見つけるのに役立つマーカーとしてメチル化を使用できるかどうかを調べるために、2型糖尿病患者345人のゲノムデータを分析しました。
この作業には、ゲノムからのエピジェネティックデータの解析が含まれ、これにより、さまざまなゲノムサイトでのDNAメチル化の程度を確認できました。
彼らは、ゲノムの11の部位でのより多くのDNAメチル化と、メトホルミンに反応しない可能性が2.5%増加することとの関連性を発見しました。
彼らはまた、薬物不耐性の可能性を3倍にすることに関連している他の4つの高レベルのメチル化部位を発見しました。
研究者たちは、メトホルミンを糖尿病患者に処方する前にメチル化試験を使用すべきであるかを調査するのに十分なほど強力な結果が得られたことを示しています。
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Medical Xpress