下腹部痛の原因

下腹部痛が起こると、その場から動けなくなることもあります。
しかし、特に可能性のある要因がたくさんある場合、腹痛の原因を知ることは困難となることがあります。
消化器内科医のマイケル・キーシュ医師は、最も一般的な原因のいくつかについて説明しています。


＜過敏性腸症候群（IBS）＞
これは何？ -
大腸もしくは小腸の疾患です。

痛みが出る部位は？ -
下腹部ですが、腹部全体に出ることもあります。

その他の症状は？ -

• 便秘を伴う腸過敏
• 下痢
• 鼓腸
• 腹部けいれん

その他知っておくべきこと –
IBSは最も一般的な腹痛の原因のひとつであり、女性に多く起こります。
お腹が弱い、過敏大腸、直腸痙攣と呼ばれることもあります。


＜便秘＞
これは何？ -
便通頻度が通常より少ない、もしくは便が硬く排便しにくくなります。

痛みが出る部位は？ -
腹部の左側ですが、腹部中央に出ることもあります。

その他の症状は？ -

• 鼓腸
• 腹部けいれん

＜虫垂炎＞
これは何？ -
虫垂の炎症
腹部右下に位置する細い管である虫垂内の炎症です。

痛みが出る部位は？ -
へそ周辺から始まり、右下に移動します。

その他の症状は？ -

• 吐気
• 嘔吐
• 発熱
• 下痢や便秘

＜憩室炎＞
これは何？ -
憩室と呼ばれる大腸にある袋に起きる炎症です。

痛みが出る部位は？ -
腹部左下に起こりますが、腹部のどの部分にも起こり得ます。

その他の症状は？ -

• 吐き気
• 嘔吐
• 発熱

＜尿路感染症（UTI）＞
これは何？ -
尿道、腎臓、膀胱を含む尿路の感染症です。

痛みが出る部位は？ -
骨盤や腹部膀胱に起こります。

その他の症状は？ -

• 排尿時の痛み
• 骨盤圧
• 頻尿や急な排尿感
• 尿の色や臭いの変化

＜腹痛のその他原因＞

• 特定の血管疾患

腸に十分な血液が行き渡らなくなる疾患があると、痛みやけいれんが起こることがあります。
「虚血性大腸炎と呼ばれる、大腸への血液供給が不足する症状が一般的です。」と、キーシュ医師は言います。
これは一般的に、左側の腸のけいれん出血を引き起こします。

• 婦人科疾患

「全体の臓器系は骨盤にあるため、卵巣嚢腫破裂や卵巣捻転、子宮外妊娠は全て下腹部痛を引き起こすことがあります。」と彼は述べていまsう。

• ヘルニア

臓器が、臓器を保持する閉鎖空間から押し出されることでヘルニアが起こります。
鼠蹊部のヘルニアは、下腹部痛や不快感を引き起こすことがあります。

• 腫瘍

大腸に腫瘍があり、特に腫瘍が何かを阻害している場合、腹痛や便通の変化が起こることがあります。


＜医者にかかるべきタイミング＞
上述した症状の一部は慢性的であり、また症状は個々人で異なるため、この問いに対する回答は期待されるよりも曖昧である可能性があると、キーシュ医師は言います。
「複数の医師に腹痛を検査するための最善のアプローチを尋ねても、全ての医師から同じ回答は得られないでしょう。」

しかし、次のようなルールに従うと良いでしょう。
慢性の腹痛症状が大きく変化したり悪化した場合、もしくは腹部に新たな症状が出た場合は、医師に相談してみましょう。

出典： 2019年12月6更新 health essentials『What’s Causing Your Lower Abdominal Pain?』（2019年12月10日に利用）
https://health.clevelandclinic.org/whats-causing-your-lower-abdominal-pain/