中国でのコロナウイルスの発生が世界的な医薬品供給の混乱を引き起こす

スイスに本拠を置く世界的な貿易組織であるKemiex社による調査で悲観的な状況がわかりました。

連絡を受けた97人の製薬専門家のうち、85％がサプライチェーンの混乱を予想しており、35％が影響が大きいと警告しています。

「季節ごとのメンテナンスと安全検査にも影響があるように思われるため、最大の影響は中国の旧正月休暇の延長と生産再開の遅れによるものと予想されます。」

と同組織は述べました。

第1四半期に予定されていた注文が第2四半期にずれ込むことが主に受ける影響と予想されますが、混乱がさらに続く場合は、次の四半期になる可能性があると警告しています。

国内の移動を最小限に抑えるため、上海、浙江省、江蘇省、広東省、福建省、重慶の各地方自治体は2月9日まで春節休日を延長しており、一部の企業は2月17日までは市場に戻らないようです。

特に浙江省には、Merck＆Co. Inc.やBayer AGなどの世界的製薬会社にAPI（医薬品有効成分）を提供するHisun Pharmaceutical Co. Ltd.などの製薬会社グループがあります。

「浙江省のすべての工場は厳重監禁状態で2月20日まで閉鎖される可能性があると言われていますが、公式の発表はまだ行われていません。」

と、エルサレム拠点の購買マネージャーであるイェフダ・スパーバー氏は述べました。

中国当局は、流行が深刻化した場合、内陸輸送と旅行の制限を更に拡大する準備ができています。

2月7日現在、新規コロナウイルスに感染した人の数は31,223人に急増し、中国および海外で637人が死亡しています。

市場調査会社のフィッチ・グループは、旧正月の休暇がさらに延長されると、主に製剤工場、特にインドで、医薬品成分を使用して錠剤やカプセルを製造する製薬会社も打撃を受ける可能性があると警告しました。

インドは世界の主要なジェネリック医薬品を供給しています。国は、APIの約84％を中国から輸入しています。

「たとえば、ビタミン剤と抗生物質の供給と価格は病気の規模と制限が、中国で増加した場合、急上昇する可能性があります。」

とフィッチ・グループは述べた。

脅威が再び

APIのグローバルサプライチェーンにおける中国の主要な役割は、世界中の製薬会社と患者にとって大きな問題であることが判明する可能性があります。

米国の専門家は、昨年の米中貿易交渉が緊張したとき、この立場は国家安全保障に対する脅威になる可能性があると警告していました。

しかし、現在の状況は予想されていませんでした。

アジアの国は、ペニシリン、スタチン、ビタミンなどのAPIの世界最大の供給源であり、世界の生産量の約40％を占めると考えられています。

そして、APIの輸出は、年間13.7％増加していると言われています。

情報技術とイノベーション財団の会長を務めるロブ・アトキンソン氏は、次のように語っています。

フィッチグループによると、米国で販売されている医薬品のAPIを製造する1,788件の施設のうち約13％が中国にあります。

米国はまた、アジアの国からの輸入医薬品に大きく依存しています。

商務省からのデータは、イブプロフェンの米国輸入の95％を中国が占めていることを示しています。

イブプロフェンは、Kemiexが影響を受ける可能性があると述べた多くの製品の1つです。

糖尿病薬のアカルボース、高血圧薬のイルベサルタン、抗炎症薬のケトプロフェンもリストに載っています。

こういった脅威にもかかわらず、多国籍製薬会社は、コロナウイルスの大流行が医薬品供給の深刻な混乱につながることはないと楽観的でした。

「現時点では、サプライチェーンの混乱は予想されていません。」

とノルバティス社の広報担当者であるピーター・ズエスト氏は述べました。

「当社の既存の製品在庫は、当面の生産－流通のニーズをカバーするのに十分であると確信しています。」

また、ロシュ・ホールディング社は、中国からの世界的な需要のために、既存の備蓄で1つのAPIを持ち、別の場所からさらなる供給を調達する可能性があると伝えられています。

Kemiexはまた、欧州およびその他の国の供給者は、中国またはその一部の地域からの供給中断中に、消費者への配送を確実にするための十分な準備と在庫があることを報告したと述べました。

家庭への医療品供給を確かに

APIの世界的な配送遅延に対する懸念がありますが、中国は、自宅で新規コロナウイルスと戦う必要のある薬の生産を注文することによりそのニーズを最優先にしています。

今週、中国当局は、リン酸クロロキンやリバビリンなどの薬剤成分が2019-nCoVの治療に使用できると述べました。

これらの薬を製造する会社は、長期休暇にもかかわらず、できるだけ早く生産を再開するように命じられています。

「2019-nCoVに対する特定の治療効果を考慮して、重慶カングル社は、産業情報技術省消費課から、活性成分であるリン酸クロロキンの製造と生産を速やかに再開するよう要求がありました。」

と、Tongfang Kontafarma Holdings Ltd.（同方康泰産業集団有限公司）は 2月3日の声明で述べています。重慶カングル社はその子会社です。

別の製造業者であるGuangxi Hechi Chemical Co Ltd（広西河河化成有限公司）も、この原料の生産が再開されたと述べました。

リバビリンの製造業者である浙江省のチェンイー製薬株式会社と上海製薬ホールディング株式会社もかかわっています。

「私たちは、医薬品を確保し、湖北省と武漢市の医療スタッフのニーズを満たすために、国全体を動員する必要があります。」

また、供給を増やすために企業が本格的な生産を再開するところであると中国政府は2月5日に声明を出しています。

【以下のリンクより引用】

Bioworld.com