中国の科学者は、古い寄生虫治療薬に癌治療の希望を見出した
中国科学者による癌治療への新展開
香港 - 中国の科学者による新しい研究によると、人間の寄生虫の治療に使われる農薬の一種は、癌の治療に役立つ可能性があります。
北京の中国科学院の動物学研究所の研究チームは、広く利用されている殺虫剤の成分『イベルメクチン』を固形腫瘍と白血病のマウスの体内に注射しました。
治験結果とその意義
以前は、薬剤耐性が高かった癌細胞でもこの化学療法薬で死滅しました。ウ・イジュン博士と研究チームは次に、結腸直腸癌と乳癌が皿の中で培養されているヒト細胞に対してイベルメクチンを試しましたが、ここでも同じ結果が得られました。「この方法で治療できる癌の数はわかりませんが、固形癌と血液癌の2つの主要な癌種についてテストされています。どちらの場合もうまく作用しています。」
治療法としての展望
ウ博士と研究者らは先月、実験・臨床癌研究ジャーナル誌(Journal of Experimental and Clinical Cancer Research)の中で、彼らの調査結果を報告しており、農薬は化学療法剤と組み合わせて癌、特に薬剤耐性型の癌を治療するのに使用できると結論付けてます。
臨床応用への期待
新しい癌治療薬は通常、患者へ使用されるまでに数年かかるか、または臨床試験を要しますが、イベルメクチンは長い使用歴がある古い薬であり、複合型治療薬のとしての臨床試験を容易に行うことができます。この薬剤は、人間に対する毒性は低く保健当局による臨床使用が承認されています。また、世界保健機関(WHO)のヘルスケア管理品に含まれており、皮膚に直接適用することもできますが、時々、目の充血や肌の乾燥など穏やかな副作用がみられることがあります。
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