乳がん、卵巣がんの在宅遺伝子検査は効果がある

2020年6月3日（ヘルスディニュース）-　乳がんと卵巣がんの遺伝子のスクリーニングが、自宅から安全かつ効果的に実施できる医療検査のリストに追加される可能性があると、新しい研究が示唆しています。

この研究では、BRCA1、BRCA2、および乳癌と卵巣癌のリスクの増加に関連した他の遺伝子変異検査が検討されています。

アメリカがん協会（American Cancer Society）によれば、BRCA1またはBRCA2変異を持つ女性は、80歳までに10分の7の確率で乳がんになる可能性があります。

一般に、この遺伝子検査には、遺伝カウンセラーとの事前カウンセリングが必要です。

女性は通常、検査結果を取得するために検査後にも相談が行われます。

家庭でBRCA遺伝子検査ができるサービスが多くなってきましたが、その全てにカウンセリングがあるわけではありません。

「私たちは本当に家の中で女性が遺伝子検査を利用しやすくする方法を見つけたかったのですが、それがストレスや不安を引き起こすかどうかを調査しました。」

と研究主筆者のエリザベス・スウィッシャー博士は述べました。

彼女はワシントン大学婦人科腫瘍学部の部長です。

カウンセリングは、BRCA1やBRCA2などの遺伝子変異があることを知った女性にとって重要です。

特定の癌を発症するリスクが高いため、これらの変異を持つ一部の女性は乳房または卵巣の予防的切除を選択します。

女優のアンジェリーナ・ジョリーは、BRCA1変異があることを知り、2013年に二重乳房切除術を選択しました。

彼女は2015年に卵巣をも除去しました。

この研究には、米国内の各研究センターに登録された3,800人以上の女性が含まれていました。

彼らの平均年齢は44歳で、ほとんどが白人でした。彼女らには唾液を使用した遺伝子検査が行われました。

この試験では、BRCA1とBRCA2の変異、および乳がんや卵巣がんに関連する他のあまり一般的でない数千の遺伝子変異が調査されています。

女性のわずか7％強が乳がんまたは卵巣がんの遺伝子に変異がありました。

研究者らは、女性が試験前または試験後の遺伝カウンセリングのいずれか、またはその両方を行うことを快く思っているかどうかも確認しました。

試験の3か月後には18%の女性が大きな苦痛を感じていましたが、彼女たちが経験したカウンセリングのレベルが問題ではないようでした。

試験前も試験後もカウンセリングを受けなかった女性の苦痛レベルは最も低いことがわかりました。

しかし、どのグループも苦痛レベルに関して有意な差はありませんでした。

研究者たちはまた、検査を受けることについての不安、うつ、または後悔といった感情は、すべての検査状況で類似していることを発見しました。

また、オンラインでの遺伝子教育を受けたものの、カウンセリングを受けなかった女性は、試験を完了する可能性が最も高かったことがわかりました。

スウィッシャー博士によると、この試験で使用された既製品の費用は約250ドルです。

保険の適用範囲ではより安くなるだろうと彼女は述べました。

彼女は、医療上の意思決定のための情報が必要な場合は、「娯楽的な遺伝子検査」には注意する必要があると示唆しています。

「がんのリスクについて知りたいのであれば、遺伝子検査は考慮するべきです。少なくとも、家族や他の親類に、癌をいつ、何歳で親戚の誰が発症したのかといった、家族歴について尋ねる必要があります。

最初に診断されたときの年齢が若いといった特定のパターンが、遺伝的リスクを示す可能性があります。」と、スウィッシャー博士は述べました。

アメリカがん協会の最高医学および科学責任者であるウィリアム・キャンス博士は、次のように述べています。

「家庭での検査は、できるだけ多くの人々にスクリーニングを実施するという点では大きな前進となる可能性があります。そのためにかける時間や、自己負担費用も節約できます。」

さらに、遺伝カウンセラーが不足していると彼は述べました。

ホームスクリーニングにより、遺伝子変異を持たない女性は結果をより早く得ることができ、よりすぐに安心できる可能性があります。

キャンス博士はまた、遺伝的変異がある女性の場合、その女性が良い結果を得るためにカウンセリングを受けることが不可欠だと思う。」と付け加えました。

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Healthday