乾癬性関節炎のない乾癬にはメトトレキサートがより効果的
乾癬患者におけるメトトレキセートの研究では、免疫抑制薬が乾癬性関節炎のない患者において、より有効であることが見出されました。
さらに、乾癬性関節炎のない患者はそれに疾患している患者よりも副作用が少ないことがわかりました。
「中国において、メトトレキサートは乾癬を有する外来患者に十分な耐容性が示されたことが我々の研究によって実証されました。」
と研究著者であるヤン・ケキシャン博士、ジャン・ユァンジン博士、リン・ハン博士らは記しました。
「メトトレキサートは、乾癬性関節炎の患者と比較して、乾癬性関節炎のない患者でより効果的で副作用も少ないようでした。」
この前向き単群研究は、中国上海の復旦大学華山病院皮膚科で行われ、乾癬性関節炎の有無にかかわらず中等度から重度の乾癬を有する248人の患者が登録されていました。
そのうち、235人の患者が12週間の研究を完了しました。
研究参加者における乾癬の重症度およびその程度は、乾癬面積重症度指数(PASI)および体表面積(BSA)スコアを用いて2人の皮膚科医によって等級付けがされました。
平均(SD)ベースラインPASIスコアは13.9(7.4)であり、平均(SD)ベースラインBSAスコアは29.7(20.8)でした。
8週目で、ベースラインのPASIスコアの90%の減少率は、乾癬性関節炎を持つ患者よりも、それがない患者の方が有意に高いという結果でした。
この状況は12週目まで続きました。
8週目と12週目の両方でのPASI 50とPASI 75の奏効率は、2群の参加者間で統計的に異なりませんでした。
「乾癬性関節炎の有無によって、8週目と12週目のPASI
90反応の統計的差異が観察されました。乾癬性関節炎は乾癬の後期に起こり、長期にわたる疾患はコントロールが困難になる可能性があるという事実を説明できます。」と研究著者は書きました。
合計105人の参加者(44.7%)が、1つ以上の有害事象を経験していましたが、乾癬性関節炎のある患者(67 [52.3%])は乾癬性関節炎のない患者(38 [35.5%])よりも有害事象を経験する可能性が高いことがわかりました。
最も一般的な副作用は、吐き気と嘔吐(20 [8.5%])、消化不良(20 [8.5%])、腹痛(5
[2.1%])、下痢(8 [3.4%])および口腔潰瘍(3
[1.3%])などを含む消化管の不調(45 [19.1%])でした。
その他の報告された副作用には、疲労(29 [12.3%])、めまい(13 [5.6%])、頭痛(3
[1.3%])、そして脱毛(3 [1.3%])がありました。
乾癬性関節炎のある患者では、それがない患者と比較して、めまい12 [9.4%])または、吐き気と嘔吐(15 [11.7%])をより多く感じたようです。
研究著者らは、これら2つの有害作用の違いは遺伝的要因による可能性があると指摘しました。
この研究はまた、メトトレキサート関連の異常な肝機能が、乾癬性関節炎患者ではそうでない患者より重症であることを見出しました。
しかしながら、著者らは肝毒性のメカニズムは依然として不明であることを指摘しています。
これらの結果を踏まえて、研究者らは、
「メトトレキサートは、関節炎のない乾癬の第一選択治療として推奨できる。」
と結論付けましたが、この所見を確認するにはより大規模な多施設共同試験が必要であるとも述べました。
この研究は、「乾癬性関節炎の有無なしに乾癬に疾患している中国人の成人に対するメトトレキサートの安全性と有効性」として査読付きの医学雑誌『JAMA
Dermatology』に発表されました。
【以下のウェブサイトより引用】