二酸化炭素排出量を90%削減する「グリーン吸入器」が5年以内に市場に出る
・英国では500万人以上が喘息の治療を受けています。
・吸入器は、1回の吸入で500gの二酸化炭素、年間では25kgの二酸化炭素を放出します。
・環境を汚染するタイプは少ないものの、それらは皆同じようには機能しません。
・イタリアの企業は、環境に適した新しいタイプの推進剤ガスを使用しています。
この強力な環境に優しい吸入器は、この5年以内に市場に登場する可能性があります。
イタリアの製薬会社は、重要な喘息機器の二酸化炭素排出量を90%削減できると言う製品を開発しています。
国際研究団体のChiesi Farmaceuticiは、通常の吸入器により1回の吸入で生成される500gの二酸化炭素のほとんどをカットする新しいタイプの推進剤を製造していると述べました。
患者は過去に、異なる化学物質は、現在使用されているものほど効果的ではなく、潜在的に健康を危険にさらす可能性があるのではないかと恐れていました。
しかし、Chiesiは、この環境にやさしい「グリーン吸入器」は既存のものと同様に機能し、「患者にとってスムーズな移行」ができると主張しています。
英国では12人にひとりに当たる、約540万人、米国では2,500万人が喘息の治療を受けており、その大部分は吸入器を使用しています。
吸入器は口の中に向けられ、肺へ薬を届けて肺をリラックスさせ、呼吸をしやすくします。
環境に優しいものは存在しますが、動作が異なります。
それらは、最も一般的なタイプである「定量」ではなく、「ドライパウダー」での吸入器として知られています。
医学雑誌BMJ Openで発表された研究によれば、ひとつの定量吸入器は、毎年25kg(55lbs)もの二酸化炭素を大気中に放出する可能性があります。
一方、ドライパウダーの吸入器は1用量当たり役20gと、約37倍少ない炭素を放出しますが、効力は弱く、軽度の喘息にのみ適用されます。
Chiesiは、グリーン吸入器はこの2つの組み合わせになると述べました。
デイリー・テレグラフ紙によると、乾燥粉末の二酸化炭素排出量を少なく計量された定量での有効性は、それが普及すれば、毎年大気中に放出される何千トンもの二酸化炭素を防ぐことができると専門家は言います。
Chiesiの最高経営責任者であるウゴ・ディ・フランチェスコ氏は、次のように述べています。
「患者は、自分の健康に影響を与える治療選択肢を検討する際に、環境への責任という負担を負う必要はありません。」
「世界的な危機的な気候に直面していますので、私たち全員が行動の負担を共有しなければなりません。」
このデバイスに2億9,800万ポンド(約325億)を投資している同社は、吸入器を「カーボンミニマム」と呼び、HFA 152aと呼ばれるガスを使用すると述べています。
国連によれば、HFA 152aは「地球温暖化係数が低い」推進剤と考えられています。
現在、吸入器はハイドロフルオロカーボンと呼ばれる化学物質を含む噴射剤を使用しています。
ハイドロフルオロカーボンは、冷蔵庫、エアロゾル、エアコン、消火器でも使用される温室効果ガスです。
英国の喘息患者の組織、Asthma UKはこのニュースを歓迎し、その健康アドバイスの責任者であるジェシカ・カービー氏は、次のように述べました。
「喘息を持つ人々が健康な状態で生活するのを助けるだけでなく、環境を保護することも目的とする製品の開発において、業界の有力者が決定的な行動をとることを期待しています。」
喘息のある人は、医師の指示がない限り、通常どおり薬を服用し続ける必要があります。
Chiesiの吸入器は、英国で使用する前に、国立衛生管理研究所(NICE)によって承認される必要があります。
吸入器(インヘラー)はどのように機能しますか?
吸入器は、喘息患者の肺を弛緩させることにより作用します。
喘息は気道の内側を膨らませ、余分な粘液を作り、空気が通過するスペースを少なくし、呼吸を困難にしてしまう長期疾患です。
それにより息切れが起きたり、胸が圧迫されたり咳や喘鳴を引き起こしたりします。
吸入器は、肺をリラックスさせて気道を再び広げるために気道へ薬を送り込むことにより、これらの症状を止めることができます。
一般的に使用される吸入器は、サルブタモールと呼ばれる薬を含むインヘラーです。この吸入器は通常、青色です。
サルブタモールは、呼吸の問題を抱えている場合に時々使用できますが、毎日使用できる対策ではありません。
この薬を吸い込むと、肺の内部の化学受容体と相互作用し、体に腫れを抑えるように信号を送り、その結果、狭まった気道を緩め呼吸の流れを改善します。
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