二重療法により性器ヘルペスの治療に成果が見られる可能性
2019年8月1日(HealthDay News) - 動物実験の段階ではあるものの、研究者たちはワクチンと薬用クリームの組み合わせが性器ヘルペスの 再発を大いに減少させることができると述べています。
米国疾病管理予防センターによると、この疾患は非常に一般的であり、14歳から49歳までの6人のアメリカ人のうち約1人が罹患しています。
現在のところ治療法はなく、ワクチンを開発しようとする試みはあるもののうまくいってはいないようです。
この病状には、単なる身体的影響以上のものがある、と医師は述べています。
アメリカ・ニューヨークにあるレノックスヒル病院の産科婦人科医の、ジェニファー・ウー博士は次のように述べています。
「性器ヘルペスの患者は、その診断に非常に苦しんでいます。」
「患者らは、それが生涯にわたる問題であり、将来の性的パートナーとの大きな問題になり得ると感じています。」
新しい研究において、エール大学の研究者は、性器ヘルペスに感染したモルモットに、新しい併用治療、またはワクチン、またはクリーム単剤のいずれかを与えました。
ワクチンは、性器ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルス(HSV)2型に応答するT細胞と呼ばれる免疫細胞を引き起こすことで作用します。
クリームには性器いぼの治療に一般的に使用される薬剤であるイミキモドが含まれていると、エール大学の免疫生物学教授である岩崎明子博士が率いるチームは説明しました。
クリームはウイルスが拡散してヘルペス病変を引き起こすのを防ぐために、免疫細胞をその部位に引き付けたうえで感染部位に適用されます。
NPJ Vaccines誌で8月1日に発表された研究によると、二重治療アプローチは、ワクチンまたはクリーム単独のいずれよりもはるかに 効果的でした。
研究で使用されたモルモットは3ラウンドの併用療法を受けましたが、迅速に作用し、最初のラウンドの後でも結果を示し始めたと岩崎博士の グループは述べました。
「『プライムアンドプル戦略』が既存の再発性疾患をブロックできることを研究が示したのは初めてです。」
と岩崎博士は大学のニュースリリースで述べました。
研究の共著者であるデビッド・バーンスタイン博士は次のように述べています。
「治療用HSVワクチンの開発は最優先事項です。私たちの素晴らしい研究結果は、より多くのワクチンでこの戦略を追求することを、私たち、 そして願わくば他の研究者にも奨励しました。」
バーンスタイン博士は、エール大学の小児科教授であり、シンシナティ小児病院の感染症部門の元ディレクターです。
さらなる研究を重ね、その結果として併用療法が人々への治療法に発展した場合、性器ヘルペス感染が再発した人々や、標準的な抗ウイルス 治療に抵抗性のある人々にとっては大きな変化になる可能性があると岩崎博士は述べました。
ウー博士は、これに同意し次のように述べています。
「ワクチンとイミキモドに関する新しい研究は有望ですが、まだ動物研究の段階にあります。このプロトコルが性器ヘルペス患者に希望を 与えることができるようになるまでには、更に人での試験を行う必要があります。」
【以下のウェブサイトより引用】
Dual Therapy Might Be Advance Against Genital Herpes, Animal Study Suggests
HealthDay