低脂肪食は乳癌に対抗する武器になる
2019年5月15日(HealthDay News) - 医療専門家は、心臓病を予防するために低脂肪食にするメリットを長い間訴えてきましたが、
今、大規模な研究でそれが乳がんに対しても同じであることが示されています。
研究者らは、低脂肪食品を食べることで、女性が乳がんで死亡するリスクを21%減らすことを発見しました。
さらに、低脂肪食を摂取している女性は、他の要因で死亡するリスクも15%少ないことがわかりました。
「これは食事療法が乳がんによる女性の死亡リスクを減らすことができるという、無作為化対照試験の証拠を提供する、唯一の研究です。」
と、研究著者のローワン・クレボフスキ博士は述べています。
彼はカリフォルニア州トーランスにあるハーバーUCLAメディカルセンターのロサンゼルス生物医学研究所の研究員です。
ダイエットは長い間、癌の要因であると疑われてきました。
アメリカ癌研究所(American Institute for Cancer Research)によると、
肥満は閉経後乳がんを含む12種類のがんに関連しています。
そして、野菜、果物、全粒穀物、マメ類などの健康的な食品をふんだんに使用した食事療法は、
癌を遠ざけると考えられています。
クレボフスキ博士は、以前の研究で、人々がより多く脂肪を摂取する傾向がある国では、癌の発生率が高いと述べました。
最近の研究では、低脂肪食が乳がんのは成立と死亡率に及ぼす影響が調べられています。
全米40カ所の約49,000人の閉経後女性がこの研究に参加しました。
女性は50歳から79歳の間で、乳がんの既往歴はありませんでした。
研究では、1993年から1998年の間に、女性は無作為に2つの食事グループのうちの1つに割り当てられました。
1つのグループは通常の食事に割り当てられました。
この食事グループは摂取カロリーの約32%を脂肪から摂取していました。
低脂肪食のグループは、脂肪からのカロリー摂取は20%以下という目標をたてていました。
クレボフスキ博士は、低脂肪食は高血圧を止める食事療法(DASH食)と内容が近いと述べました。
米国 国立心臓・肺・血液研究所によると、これは高脂肪の肉や乳製品を避け、野菜、果物、豆類、全粒穀物を中心とした食事を摂ることを強調しています。
低脂肪グループは適度に体重を落とすことに成功しました。
クレボフスキ博士は、グループ間で体重の差が約3%あり、
研究者達は体重の違いを考慮に入れて計算しており、体重だけでは死亡の危険性には影響を及ぼさなかったと述べました。
低脂肪食グループの女性は約8年半の間、この食事療法を守り、両グループともに平均約20年の追跡調査が行われました。
研究者によると、低脂肪グループの女性は、脂肪の20%以下の目標を達成することができませんでしたが、約25%にまで管理ができました。
彼女たちは果物、野菜、穀物の摂取量を増やしました。
「食事療法は当初計画されていたよりも適度なものでした。
しかし我々は25〜27%の脂肪を摂取する食事療法がほぼ達成可能であることを確認しました。」とクレボフスキ博士は述べました。
研究者らは、食事の個々の成分が他の成分よりも重要であるかどうかはわからないが、さらなる研究によってそれが解明されることを望んでいると述べました。
クレボフスキ博士は、さしあたり、特定の食品や食品グループを探すのではなく、食事制限の一つであるべきだと考えていると述べました。
彼は、低脂肪食のグループの女性たちは、全体的なカロリーを減らし、調理方法を変え、そして肉や乳製品を部分的に減らしたと述べました。
この調査結果は、5月31日から6月4日までシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で発表される予定です。
ASCOの乳がん専門医である、スタンフォード大学のリディア・シャピラ博士は、この研究について示しているものとして、次のように指摘しました。
「私たちが皿の上に置いたものが重要であり、患者にはより多くの果物や野菜を食卓に並べるように指導し推奨する価値があります。」
彼女は、女性が20%というより厳格な食事性脂肪の目標に到達しなくても、
依然として彼女たちの食事での脂肪を減らすことを試みることから健康上の利点を示したと付け加えました。
ASCOの会長である、モニカ・ブルターニョリ博士は、これらの発見は「本当に印象的なもの」であると述べました。
彼女は「これは無理な食事制限ではありませんでした。そのため人々はそれをしっかり守ることができたのです。」と述べました。
そしてまだ、低脂肪食を摂取している女性では、乳がんの発生率は8%減少しています。
「乳がんの発生が減少し、乳がんが発生した場合でも死亡率は低下しました。」
とブルターニョリ博士は述べています。
【以下のウェブサイトより引用】