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JapanRx / 体の消費期限延長に染色体の端が関わっている可能性

体の消費期限延長に染色体の端が関わっている可能性

<テロメアの長さを操作することで、加齢関連疾患の治療に役立つ可能性があります。>
テロメアが減弱した細胞は死滅した細胞と置き換えるための細胞複製ができなくなるため、テロメアの短縮は、通常肝臓や肺の臓器不全と組織線維症のリスク増加と関連しています。

以前の研究では、テロメアとサーチュインの両方が老化と組織線維症に寄与し、互いに相互作用するようであることが示されています。
この研究でサヒン氏と彼の研究チームは、テロメアとサーチュインを結び付ける分子メカニズムを調査しました。
この研究のため彼らは、テロメアが短く機能不全であり、早期に老化が起こるように遺伝子操作を行った肝疾患を罹患するマウスモデルを開発しました。
このマウスは、肝臓毒素にさらされると間もなく、肝硬変につながる可能性のある肝臓の瘢痕である肝線維症を発症します。

「これらのマウスでは、短縮したテロメアが肝臓および組織におけるーチュイン産生の減少を引き起こすことがわかりました。」と、サヒン氏は言います。
「このことを他の観察結果と合わせると、テロメアがサーチュインを制御していることを示しています。」

研究者たちは、興味深いことに、逆にサーチュインがテロメアに影響を及ぼす可能性があることも発見しました。
サヒン氏と彼の研究チームがマウスに小分子(ニコチンアミドモノヌクレオチドもしくはNAD+の前駆体)を与えることでサーチュインの活性を増加させると、テロメアが安定したのです。

「さらに、NAD +前駆体をマウスに給餌すると、テロメアの長さが維持されるだけでなく、マウスの肝臓の状態も改善されました。」とSahinは述べました。

この発見を人間の疾患治療に適用するには、されなる研究が必要です。

「テロメアの長さは、がんの成長にも影響する可能性があることに留意することが大切です。テロメアが短くなると、がん細胞が自己破壊への道をたどることになりますが、テロメアを長く保つことで、癌細胞が増殖を続けることができるようになってしまいます。」と、サヒン氏は述べました。
「健康と疾患におけるテロメアの長さ操作の利点と潜在的なリスクをよりよく理解するために、テロメアとサーチュインの相互作用に関与する分子メカニズムの調査を続ける予定です。」

出典: 2019年4月4日更新 Baylor College of Medicine『Extending the body’s expiration date may involve the ends of the chromosomes』内“Manipulating telomere length may help treat age-related disease”(2019年10月16日に利用)
https://blogs.bcm.edu/2019/04/04/from-the-labs-extending-the-bodys-expiration-date-may-involve-the-ends-of-the-chromosomes/