体重の増加は肺の老化においては天敵に
2020年2月26日(HealthDay News)- 高齢者では体重が増えると、肺機能の低下が加速する、と新しい研究が示唆しています。
肺機能は人の年齢とともに自然に低下しますが、研究者は中程度、または有意な体重の増加を更なる急激な低下に結びつけました。
この研究の参加者は、彼らが20歳から44歳だった時に召集され、20年間に渡り追跡されたヨーロッパとオーストラリアの3,700人が含まれていました。
彼らが調査開始時に健康体重であったのか、過体重または肥満であったかに関わらず、研究期間中に体重が増加した人々はすべて、肺機能の低下が加速していたことを研究者らは発見しました。
また、肥満の人は体重を減らすことで肺機能の低下は遅くなり、成人期を通して体重の増加が抑えられていた人では肺機能の低下が、更に遅くなることもわかりました。
この研究は、査読付き月間医学雑誌Thoraxの2月25日号に掲載されました。
「以前の研究では体重増加が肺機能の低下に関連していることが示されましたが、我々の研究は、このような多様なサンプルを長期間にわたって分析した最初の研究です。」
と研究リーダーのジュディス・ガルシア・アイメリック氏は述べました。
彼女は、スペインにあるバルセロナグローバルヘルス研究所(ISGlobal)の非感染性疾患および環境プログラムの責任者です。
研究者によると、過去のほとんどの研究は参加者の追跡は10年以内であり、50歳までの成人に焦点を合わせていました。
この研究の著者は、より体重が重いことと肺機能の低下との関係については2つの可能な説明があると述べました。
第一に、腹部と胸部に大量の脂肪があると、息をが吸い込むときに肺が膨張しなければならないスペースが制限される可能性があります。
そして、第二に、脂肪は炎症性化学物質を生成し、肺に損傷を与え、気道の直径を小さくする可能性があります。
研究の著者によると、成人期に肺機能を維持することは慢性呼吸器疾患の予防のためには不可欠です。
「現在見られている過体重と肥満の流行レベルを考えると、肺機能に対する体重変化の影響を理解することは基本であると思います。」
と、ガルシア・アイメリック氏は研究所のニュースリリースで述べました。
「良いニュースもあり、それは、過剰な体重と肥満による、肺の健康へのマイナスの影響が減量によって逆転できることです。そのため、健康的なライフスタイルを促進する公衆衛生政策が、肺の健康状態を良好にするための鍵となりえます。」
と彼女は付け加えました。
【以下のリンクより引用】
Weight Gain Is No Friend to Aging Lungs
Health Day