体重の重い患者は敗血症からの生存率増加
通常の医学的観点では肥満は健康に悪く、寿命を縮めるものとしてみられますが
敗血症の生存率に関しては体重が大きければプラスに働くようです。
深刻な感染症により入院している1400人の肥満と通常の体重の患者達に対して研究を行いました。
研究内容はCritical Care Medicineに発表され、肥満体が感染症に対しての反応の変化などが語られました。研究主執筆者のミシガン大学の臨床講師ハリーcプレスコット氏曰く
医師達は肥満患者は臨床試験の結果は悪いだろうと考えており、この考えに基づき患者やその家族へのカウンセリングや処方を行っています。この研究では肥満の敗血症患者は死亡率が低く、通常体重の患者と同様の治療結果でした。敗血症は血液中毒とも呼ばれ体の免疫システムが感染症に対して過剰反応し命に関わる病気にもなります。感染者は多くの場合集中治療室で過ごさなければなりません。
1年で750000人の患者が感染しており、250000人の患者が死亡しています。
そのため敗血症は主な死亡原因となっています。米国における敗血症の発生率は過去15年間で倍増しており、重要な課題となっています。敗血症にかかる医療費は年間に160億ドルかかり、心臓発作にかかる医療費の4倍となります。敗血症が完治した後もリハビリを必要とする場合があり、退院した患者の半数は1年以内に死亡しています。肥満と敗血症の生存率増加の間に関連性が見出されていますがそれは肥満患者が優先的に治療を受けれるなどの理由も考えられています。
しかしこれらの研究は必ずしも患者の追跡調査は行っていませんでした。
研究のためにプレスコット博士と研究チームは1年間の死亡率、ヘルスケアの利用率、重篤な敗血症による入院結果を肥満指数による調査しました。
1404人の重篤な敗血症患者の入院データを調査しました。そのうち334人は肥満で、473人は太りすぎ、597人は通常の体重でした。肥満指数の高い患者は退院後1年以内の死亡率が低いことが分かりました。また肥満指数と死亡率の相関関係があることも発見しました。
肥満の患者と通常体重の患者は同じように治療がされ、総合的には両者に違いは見られませんでした。入院期間とリハビリの期間は肥満患者では長くなり、医療費も通常よりかかりました。
しかし平均医療費は両者で変わりませんでした。肥満患者は医療費がかかり、医療機器も多く必要とします。そのため敗血症の生存率も高いと考えられています。
肥満は深刻な病気の経過に影響を与えるだろうと考えられていますが、より詳しい研究が必要だと考えられています。
以下のサイトより引用
http://www.medicalnewstoday.com/articles/280672.php
以下のサイトより引用
http://www.medicalnewstoday.com/articles/280672.php