初めて小児と成人喘息の両方に焦点を当てた大規模ゲノムワイド関連解析
喘息---- 喘鳴、せき、および息切れを引き起こすこの呼吸器疾患は、世界で最も一般的な慢性呼吸器疾患です。
2019年4月30日号の Lancet Respiratory Medicineに発表される新しい研究は、小児期発症および成人期発症の
喘息の遺伝的危険因子の違いを調べる最初の大規模調査です。
このゲノムワイド関連解析(GWAS)は、小児期発症型喘息が成人型発症喘息の3倍近い遺伝子と関連していることを明らかにしました。
成人発症型喘息に関連する遺伝子は、小児期発症型喘息に関連する遺伝子のサブセット(一部分)であり、
成人型喘息に対する効果は小児期発症型喘息よりも小さいものがほとんどでした。
研究者らはまた、これらの小児期発症遺伝子が上皮細胞(皮膚)において高度に発現されていること、
また、小児期発症および成人期発症の両方の喘息遺伝子は、血液(免疫)細胞において高度に発現されていたことを見出しました。
「これまでに試みられていない最大の喘息に関連したGWASでした。」
と、シカゴ大学の人類遺伝学科の教授兼会長であり、研究執筆者のキャロル・オーバー博士と、彼女の共同研究者である、
同医学部のイム・ヘギョン博士は語りました。
「成人発症型喘息に関与する遺伝子は、主に小児喘息に関連する遺伝子のサブセットであることがわかりました。
しかし、晩年では、同じ遺伝子の方が影響が小さいという傾向があります。」
著者らは、成人期に発症した喘息と比較して、異なるメカニズムが小児期に発症した喘息の発症を引き起こすと結論付けました。
両方とも免疫学的要素を共有しますが、小児期における喘息の起源は、湿疹および食物アレルギーなどの、
他の一般的な小児疾患の根底にある欠陥と同様に、上皮細胞の完全性の欠陥なども含んでいます。
研究者らは、小児発症型喘息を12歳未満と定義しました。
また、成人発症例については、26歳から65歳までの間にこの疾患を発症した患者の症例と定義しました。
この研究では、英国を拠点とする大規模な長期研究である英国のバイオバンクのデータを使用しており、
遺伝的素因と疾病の発症に対する環境起因に焦点が当てられています。
そのデータには、研究者らは、小児期に喘息を発症した成人9,433人、成人発症型喘息の21,564人、
および12歳から25歳までの間に喘息を発症した成人、6,849人が含まれています。
また、この研究では、喘息にかかっていない対称グループとして、38歳以上の318,237人を含みました。
小児および成人の喘息のGWASは、61個の独立した喘息関連遺伝子を明らかにしました。
61個のうち56個が小児期発症喘息で有意であり、19個が成人発症型喘息で有意でした。
それらの遺伝子座のうち28個は以前は分類分けされていませんでした。
17個は小児期発症のみに有意でしたが、1個だけ成人期発症喘息にのみに有意なものがありました。
著者らは、
「小児期に特異的な遺伝子座と小児期、成人期共有の遺伝子座の両方が、若い年齢の喘息の発症と関連しており、
成人発症型喘息と比較して、それらの対立遺伝子はすべて小児期発症においてより大きな効果を示しました。」
と付け加えました。
【以下のウェブサイトより引用】