前立腺がんのモニタリングによる効果は、治療と同等である可能性
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン（New England Journal of Medicine）に発表された研究によると、主要な3種類の前立腺がん治療法は、どれも同様に効果的であるといいます。
この研究では、積極的なモニタリング、手術（根治的前立腺摘除）、および放射線療法を施した結果、死亡率にほとんど差が無い（そして、非常に低い）ことがわかりました。
手術および放射線療法は、積極的なモニタリングと比較して、時間の経過によるがんの進行のリスクを軽減しました。
1999年～2009年にかけて、積極的なモニタリング、手術または放射線療法のいずれかを受け、研究参加に同意した50歳～69歳の男性1,643人をモニターしました。
研究チームは10年後、死亡率やがんの進行と拡大具合、被験者から報告された治療効果を測定しました。
研究者らは、限局性前立腺がんの生存率は、受けた治療の種類にかかわらず、約99％であることを発見しました。
手術もしくは放射線療法を受けた男性グループにおいては、がんの進行および拡大率は半分以下に減少しました。
積極的なモニタリングを受けたグループでは5人に1人のがんが進行し、10人に1人以下であった手術・放射線治療グループとは対照的な結果となりました。
しかしながら、手術および放射線療法は、特に治療後の最初の年に、不快な副作用を引き起こしました。
オックスフォード大学とブリストル大学によって行われたこの試験は、限局性前立腺がんを患う男性に対する3つの主要な治療法の有効性や費用対効果、および受容性を評価した最初の研究です。
本研究の主任研究員であるフレディー・ハムディ教授は次のように述べています。
「この研究から現状分かることは、
PSA血液検査によって検出された前立腺がんは進行が非常に遅く、診断から10年間の内に死亡する男性は、選択した治療法にかかわらず1％と極めて少ないということです。これは、研究開始時に予想されていたよりもはるかに低い数字です。」
「しかし、がんの発見時に根本的な疾患治療を行うことで、がんが進行・拡大する確率が減少しますが、これが寿命の延長や生活の質改善につながることは未だ分かっておらず、またどのようながんが致命的であり、どのようながんが放置しても問題無いのかを確実に決めることはできません。」
同研究の共同研究者、ジェニー・ドノバン教授は、次のように述べています。
「これは、前立腺がんに対する放射線療法、手術、および積極的モニタリングが直接比較された最初の研究です。この研究結果により、患者や医師に各治療法の効果や影響に関する詳細な情報が示され、治療法選択の際に十分な情報に基づいた決定を下すことが可能になりました。」
「それぞれの治療法の効果や影響は異なるため、長期的なフォローアップにより治療後10年の状況を確認することが必要です。」
出典： 2016年9月15日更新 Health Spectator UK 『Monitoring prostate cancer may be just as good as treating it』（2019年5月28日に利用）
https://health.spectator.co.uk/monitoring-prostate-cancer-may-be-just-as-good-as-treating-it/
この研究では、積極的なモニタリング、手術（根治的前立腺摘除）、および放射線療法を施した結果、死亡率にほとんど差が無い（そして、非常に低い）ことがわかりました。
手術および放射線療法は、積極的なモニタリングと比較して、時間の経過によるがんの進行のリスクを軽減しました。
1999年～2009年にかけて、積極的なモニタリング、手術または放射線療法のいずれかを受け、研究参加に同意した50歳～69歳の男性1,643人をモニターしました。
研究チームは10年後、死亡率やがんの進行と拡大具合、被験者から報告された治療効果を測定しました。
研究者らは、限局性前立腺がんの生存率は、受けた治療の種類にかかわらず、約99％であることを発見しました。
手術もしくは放射線療法を受けた男性グループにおいては、がんの進行および拡大率は半分以下に減少しました。
積極的なモニタリングを受けたグループでは5人に1人のがんが進行し、10人に1人以下であった手術・放射線治療グループとは対照的な結果となりました。
しかしながら、手術および放射線療法は、特に治療後の最初の年に、不快な副作用を引き起こしました。
オックスフォード大学とブリストル大学によって行われたこの試験は、限局性前立腺がんを患う男性に対する3つの主要な治療法の有効性や費用対効果、および受容性を評価した最初の研究です。
本研究の主任研究員であるフレディー・ハムディ教授は次のように述べています。
「この研究から現状分かることは、
PSA血液検査によって検出された前立腺がんは進行が非常に遅く、診断から10年間の内に死亡する男性は、選択した治療法にかかわらず1％と極めて少ないということです。これは、研究開始時に予想されていたよりもはるかに低い数字です。」
「しかし、がんの発見時に根本的な疾患治療を行うことで、がんが進行・拡大する確率が減少しますが、これが寿命の延長や生活の質改善につながることは未だ分かっておらず、またどのようながんが致命的であり、どのようながんが放置しても問題無いのかを確実に決めることはできません。」
同研究の共同研究者、ジェニー・ドノバン教授は、次のように述べています。
「これは、前立腺がんに対する放射線療法、手術、および積極的モニタリングが直接比較された最初の研究です。この研究結果により、患者や医師に各治療法の効果や影響に関する詳細な情報が示され、治療法選択の際に十分な情報に基づいた決定を下すことが可能になりました。」
「それぞれの治療法の効果や影響は異なるため、長期的なフォローアップにより治療後10年の状況を確認することが必要です。」
出典： 2016年9月15日更新 Health Spectator UK 『Monitoring prostate cancer may be just as good as treating it』（2019年5月28日に利用）
https://health.spectator.co.uk/monitoring-prostate-cancer-may-be-just-as-good-as-treating-it/