前立腺がんリスクをより正確に予測する新しい血液検査

新しい血液検査は、現在NHS（英国の国民保健サービス）で使用されている標準的なPSA（前立腺特異抗原）検査よりも正確に前立腺がんの発症リスクを予測することができ、不要な前立腺生検の数を減らすことができます。

クリーブランド・クリニックのエリック・ケルビン氏による研究は、泌尿器学ジャーナル（Journal of Urology）に掲載されました。
この研究では、30日以内に前立腺生検を実施した患者271人の血液を採血し、調査しました。

研究では、IsoPSAと呼ばれる新しい検査の高悪性度がんの検出感度は94％、陰性反応適中度が93％であることがわかりました。
その結果、既に実施された前立腺生検の47％が回避できた可能性があることが示されました。

IsoPSAは、がん細胞アイソフォームの様々な3D構造を検出、識別することによって機能します。

IsoPSAにより、高悪性度がんの約20％が見落とされるMRIスキャンの使用を減らすことができるかもしれません。
MRIとIsoPSAを併用すると、約86％の高悪性度がんの存在が正確に予測されました。

この新しい検査は、臨床医の助けとなるはずです。
既存の検査では、血液検体は中央検査室に送られた後、ファックスや電子メールで検査結果が医師の診察室まで送られます。
結果まで数日待つ可能性がありますが、IsoPSAは結果が出るまで長くかかりません。

本研究の筆頭著者であるエリック・ケルビン医師は、次のように述べています。
「これは既存の検査法や、正確に高悪性度がんを予測する技術の進歩であり、これにより前立腺がんリスクの低い男性の生検を避けることができます。」

出典：2018年5月22日更新『New blood test more accurately predicts prostate cancer risk』Health Spectator UK（2019年4月17日に利用）
https://health.spectator.co.uk/new-blood-test-more-accurately-predicts-prostate-cancer-risk/