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JapanRx / 前立腺癌の生存率を延ばす可能性

前立腺癌の生存率を延ばす可能性

科学者達は、なぜ後期前立腺癌のための一般的薬がしばしば効力を失い、事態を悪化させることさえあり得るのかについて考えました。
その薬剤、エンザルタミドは、4、5ヶ月後には作用がなくなり、後にガン細胞を容赦ない攻撃者に変えてしまうという二重の機能を持つように思えます。
新しい研究では、少なくともマウスにおいて、薬物の有害な副作用をどのように防ぐのかについて示されています。

「ほんの数ヶ月間でさえ、より多くの患者が延命を望みエンザルタミドを求めているので、私たちの目標は、薬をより長期間作用させる方法と
有害な副作用につながる危険な経路を遮断する方法を見つけることでした。」
と、ネイチャー コミュニケーションズ誌に論文を発表したロチェスター大学ウィルモット癌研究所の病理学、泌尿器科および放射線腫瘍学の
教授である、チャウンシャン・チャン博士は述べました。

前立腺癌はアメリカ人男性の癌による死亡では2番目に多い原因です。
そのいくつかの種類の初期段階では「監視して待つ」というアプローチで治療することができますが、他の種類は手術とアンドロゲン除去療法(ADT)を
必要とする悪性度の高い癌です。
アンドロゲン除去療法(ADT)の目的は、癌の原因となる男性ホルモン(アンドロゲン)の量を減らすことです。

この疾患の特に攻撃的なサブタイプである去勢抵抗性前立腺癌は、治療を受けても成長が続きます。
この積極的な形態の転移性前立腺癌を有し、化学療法に反応しなくなった男性の場合で、エンザルタミドは平均5ヵ月、
生存期間を延ばすことができます。

食品医薬品局は、2018年に、転移していない去勢抵抗性前立腺癌の男性を治療するためにも薬を承認しました。
しかし、エンザルタミドは副作用、最も顕著には前立腺腫瘍における神経内分泌細胞の増加を引き起こす可能性があります。

これらの細胞は豊富にあるため、腫瘍は治療に対して抵抗性になってしまいます。
研究者らは、『非コードRNA-p21』を神経内分泌分化を誘導する主な原因として同定し、重要な遺伝子『EZH2』の機能を
切り替えることができると述べました。
彼らはまた、RNAp-21が神経内分泌分化された前立腺腫瘍においては高度に検出されることを示しました。

以前、科学者たちは進行性の前立腺癌腫瘍はごくわずかな割合で神経内分泌分化を起こしたと信じていました。
しかし最近の研究では、検出後の平均生存率が1年に満たない積極的な神経内分泌前立腺癌細胞を含む腫瘍が患者の30〜40%に存在し、
それがより多くの患者を最悪の状態に病気が進行することに抵抗できないとチャン博士は言います。

ロチェスター大学メディカルセンターで患者を治療する、泌尿器癌の権威である、エドワード・メッシング医師は、この最新の発見が
困難な症例の男性に影響を及ぼす可能性があると述べています。

「チャン博士のチームは、最終的には病気に屈すると思われる進行性前立腺癌の何千人もの男性に影響を与える重要な
分子メカニズムを特定しました。
神経内分泌の分化を引き起こす「スイッチ」を理解して逆転させることは、これらの男性で寿命を延ばし、そして彼らの苦しみを
著しく和らげるはずです。」

「分子スイッチ」の遮断を目的とした臨床試験ではまだ治療法は確立されていませんが、チャン博士の研究室ではマウスでも効果があると思われる
小分子薬が同定されました。
それはマウスではうまく作用しているように思えますが、薬剤としての開発までにはさらなる研究を必要とします。

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.futurity.org/late-stage-prostate-cancer-enzalutamide-2081942-2/