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勃起不全は心血管障害の兆候かもしれない

勃起不全(ED)は加齢によって必然的に起こる訳ではありません。
しかし、40~70歳のアメリカ人の50%以上が、軽度、中等度もしくは重度のEDを患っています。
加齢が「原因」ではないとしたら、何がEDを引き起こすのでしょうか?

勃起不全を引き起こす疾患や症状には、血管疾患、神経疾患(多発性硬化症や糖尿病など)、精神疾患(ストレス、うつ病、パフォーマンス不安など)、陰茎の損傷など様々あります。
加えて、慢性疾患や特定の薬、前立腺や膀胱、大腸の手術がEDを引き起こすこともあります。

しかし、ED症例の50~70%がアテローム性動脈硬化症(または動脈硬化)や糖尿病などの血管疾患によるものであると推定されています。
ED治療には、ライフスタイルの変化や処方薬の他、陰茎インプラント等の外来治療があります。
クリーブランドクリニックは一部の患者に、血管内治療を提供しています。


<血管疾患とED>
「血管疾患は、100年以上前にフランスの外科医であるレーン・レリシェ医師により、EDの原因であることが初めて特定されました。」と、インターベンショナル心臓内科医であるジョゼフ・キャンベル医師は述べています。
「彼は、ヘビースモーカーの男性の動脈にプラーク(脂肪沈着)が蓄積したことで、男性性器を含む腹部や骨盤全体の複雑な動脈分枝ネットワークに血液を運ぶ大動脈の閉塞があることを見つけました。」

こうした動脈にプラークが蓄積すると、ペニスへの十分な血流が妨げられ、男性が勃起することができなくなります。

「末梢血管疾患(末梢動脈疾患やPADとも呼ばれる)を患う患者は、脚、首、頸動脈、腎臓、大動脈の動脈の詰まりがあり、EDリスクが高まります。」とキャンベル博士は言います。
ED患者は、検査でEDの原因となっている可能性のある動脈閉塞の有無を調べる必要があります。


<EDの治療方法>
治療方法は、EDの原因によって異なります。
以下の様な治療方法が存在します。

  • 心理社会的介入
  • 定期的な運動や低脂肪食、減量、禁煙などのライフスタイルの変更
  • ホルモン不足の治療薬
  • ED治療薬
  • 陰茎注射、真空ポンプまたは陰茎インプラント

しかし、ペニスに血液を運ぶ動脈に重度の閉塞がある少数の患者には、新しい血管内治療が適用する可能性があります。
これは、医師が高度な医療機器を用いて血管内から動脈閉塞を治療する侵襲の少ない治療です。

医師は、ワイヤーが通る小さな針を使って患者の脚の種動脈にアクセスします。
その後、細い可撓性チューブであるカテーテルを閉塞した動脈まで通します。
また、カテーテルで収縮バルーンとステント、もしくは小さなワイヤーメッシュチューブを運びます。
医師はこのバルーンを膨らませて動脈を開いてステントを取り付け、閉塞を横に押しやって動脈の開口を維持し、血流を改善します。

「この新しい治療法は、開始されて10年と少しが経ちました。」と、キャンベル医師は説明します。

未だ治験中もしくはFDA承認済技術の「適応外の」使用であるとされていますが、この治療法が適した患者は、厳しい基準に従って選定されます。
クリーブランドクリニックは、ED治療における血管内治療の効果を確認するための臨床試験に参加する予定です。

出典: 2019年11月20更新 health essentials『Why Erectile Dysfunction May Signal Cardiovascular Problems』(2019年11月21日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/erectile-dysfunction-may-signal-cardiovascular-problems/