医師への健康相談:前立腺収縮薬は悪性度の低い前立腺癌に影響しますか?
キース・ローチ先生があなたの健康についての質問にお答えします。
【質問】
私は数年前から低悪性度前立腺癌にかかっています。
現在は「監視療法」で治療中です。私のPSA測定値は高いものの安定していて、約7.8〜9.2ng/mLで推移しています。
私は前立腺が大きく肥大しており、これがPSA値が高いの一因であると考えています。
フィナステリド(プロスカー)の服用を検討していますが、ご意見をお聞かせください。
その副作用の1つは非常に深刻な形態の前立腺癌を発症するリスクが増加することです。私はすでにこの癌にかかっていますが、私の癌の悪性度が高まるリスクはありますか。
— D.N.W.より
【先生からの回答】
2018年までの服用で追跡調査が行われた2013年の研究では、フィナステリドは男性の前立腺癌の全体的なリスクを15%から10%に 減少させましたが、前立腺癌の悪性度は3%から、3.5%へとわずかに増加しました。
しかし、治療を受けた男性では前立腺がんによる死亡のリスクは増加しませんでした。
いくつかの追跡調査では、フィナステリドは前立腺組織を縮小し、生検と結果の読み取りの両方を容易にするため、悪性の前立腺がんへのわずかな増加は、これらのがんを発見しやすいことを反映していることが示唆されています。
私の見解では、悪性の前立腺癌の明らかな増加は、フィナステリドを服用する際の本当の危険を表す可能性は低いということです。
フィナステリドが既存する腫瘍の性質を変えることを示唆する証拠はありません。
【質問】
私は乳がんを患っており、アナストロゾールが推奨されています。
短期的、および長期的な副作用について教えてください。
—アノンより
【先生からの回答】
アナストロゾールは、アロマターゼ酵素を阻害する薬剤であり、副腎で作られたアンドロゲンをエストロゲンに変換する作用があります。
したがって、アナストロゾールには、血中のエストロゲンレベルを劇的に低下させる効果があります。
エストロゲン感受性腫瘍を持つ女性にとっては、腫瘍の成長に対する刺激が少ないことを意味します。
アナストロゾールのようなアロマターゼ阻害剤は、エストロゲン受容体陽性の乳がんを持つ女性の治癒率と生存率の改善に大きな効果があります。
アロマターゼ阻害剤は20年以上使用されています。
ただし、長期的な影響を包括的に理解するにはまだ十分ではありません。短期的な影響があり、これらは、一部の女性が通常処方されている5年間の使用期間に耐えられる能力を制限します。
この薬を処方された女性の約3分の1は治療コースを修了していません。
女性がアナストロゾールの使用を止める理由として最もよく見られるのは、使用中に頻繁に発生する筋骨格痛です。
症状は薬を服用している女性の最大3分の1にはひどく現れることがありますが、定期的な運動と抗炎症薬によりはこれらの症状を効果的に 軽減します。
多くの女性には性的な副作用があります。
最適な膣の健康にはエストロゲンが必要であり、アナストロゾールによりエストロゲンが失われることで膣の乾燥を引き起こし性交時の痛みに つながる可能性があります。
これは潤滑剤で治療することができ、ほとんどのデータは低用量の膣エストロゲンが安全で効果的であることを示唆していますが、この薬を使用する前には腫瘍専門医へ相談することが推奨されます。
アナストロゾールを服用している女性では、疲労や物忘れ、睡眠障害がしばしば報告されています。また、骨量の減少(骨減少症および骨粗鬆症)がより一般的です。
薬剤以外での治療には、定期的な運動、カルシウムとビタミンDの摂取、そして禁煙などがあります。しかし、こういった治療にもかかわらず骨密度が危険なほど低くなった場合、多くの女性は別の薬物療法を必要とします。
アナストロゾールを服用することには確かに欠点がありますが、他の治療法と比較し、この薬を服用した女性での生存率の改善とのバランスを取る 必要があります。
【以下のウェブサイトより引用】
To Your Good Health: Will prostate-shrinking meds affect low-grade prostate cancer?
Healthy Aging