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卵は天敵ではないかも・・・それでも食事療法でコレステロールは無視できない

最近行われた研究では、心血管疾患と卵などの高コレステロール食品の摂取との関連性が示されています。
しかし専門家は、食事療法においては他の側面に注意が必要であると忠告しています。

卵・・・卵は言われているように地球上で最も健康的な食物なのでしょうか、それともコレステロールを含んだ心血管障害を引き起こすものなのでしょうか。

医療誌JAMAで発表された新しい研究は後者だと主張していますが、それは議論を解決するよりむしろ火に油を注いでしまう可能性が高いといえます。
この研究は12件以上の研究者のチームによって行われた1985年から2016年までの合計約3万人からなる6つの異なるグループにおいて調査が行われました。
それらでは、毎日300mgのコレステロールを消費するごとに、心血管疾患を発症する危険性が17%、あらゆる原因による死亡の危険性が18%高くなることが確認されていました。
大きな卵は約186 mgのコレステロールを含んでいます。
研究者たちは、1週間に3〜4個の卵を食べることが、研究期間中のあらゆる原因による心血管疾患発症のリスクが6%高く、死亡リスクが8%高いことに関連していることを発見しました。  

コレステロールへの挑戦
で、それは卵のせいなのですか?そうとは言い切れません。
まず、コレステロールが人の食事に与える相対的な影響についてのこの継続的な議論の中心を理解することが重要です。
研究者らは、この大規模で厳密な研究の背後にある原動力の一部は、コレステロールに関する米国政府自身の矛盾する情報であったと述べています。
米国保健福祉省の『2015年〜2020年米国人向け食事ガイドライン』によれば、「健康的な食生活を行いながら、食べ物からのコレステロールの摂取をできるだけ少なくする」べきであるそうです。
しかし、それらのガイドラインに付随する科学的報告では、「コレステロールは過剰消費が懸念される栄養素ではない」と述べています。 この問題の根本をたどるため、研究者たちは、民族的にも経済的にも多様な人々の大規模な集団において、最大、31年間というより長期にわたる研究を行いました。
それはこれまで行われた多くの研究や既存の研究のメタアナリシスとは異なります。  

ボストンにあるタフツ大学で、Jean Mayer USDAヒト栄養研究センターのシニアサイエンティストであり、心臓血管栄養研究所の所長を務めるアリスH.リヒテンシュタイン博士は、次のように述べています。
「1つの食品が健康に与える影響を示すことは非常に複雑であることを強調することが非常に重要です。」

アメリカ心臓協会(AHA)のボランティア専門家でもあるリヒテンシュタイン博士は、「この研究ではこれまでにも述べてきた最も包括的な研究ですが、混乱を招く可能性がある複数の要因を細心に説明しています。」と付け加えました。
しかし、この研究は質の高い観察研究ではあるもののそれでもまだ観察研究に過ぎません。 卵の消費による原因を明確に特定するのは難しいということです。
例えば、研究者らは研究参加者の長期的な食習慣を評価することができなかったと、ノースウエスタン大学の疫学部門の予防医学の准教授であるノリーナ・アレン博士はプレスリリースで述べました。
「我々は彼らの食事のパターンがどうだったかについてのスナップショットは一つあります。」と彼女は言いました。 
「しかし、それらは人の食事摂取量の推定値を表していると思われますが、それでもその後、その人は食事を変えたかもしれません。
そして我々はそれを説明することができないのです。」  

行きつくのは卵黄
この話題の中心が、卵になりがちな理由は、卵黄中の高いコレステロール値を除いて、卵は非常に健康的な食品だからです。
特に鶏の卵はビタミンA、B-2、セレン、B-12、葉酸に優れ、それらはまたルテインなどの蛋白質そして酸化防止作剤が豊富なのです。
また、脳と心臓に健康的なオメガ3脂肪酸でさえ豊富に含まれています。
実際、この研究でも、問題は卵ではなく、アメリカ人が卵と一緒に食べる傾向がある他の食物に関しての問題の方が大きいのかもしれないとリヒテンシュタイン博士は述べています。
「研究対象者が米国に住んでいたことを考えると、これらの結果は、ベーコンとソーセージなど一般的に卵と一緒に料理される食品によるものなのかもしれません。」
「例えば、血中コレステロール値が正常な人、そして場合によっては高齢者には卵とコレステロールの有意な関係はありませんでした。もっと覚えておくべき重要なことは、全体的な食事の内容です。食物性コレステロールは、パズルのほんの一部にすぎません。」

結局のところ、この研究は時計の針をあまり動かすことなく、私たちの食事、特に卵に含まれるコレステロールの一部をよりよく理解するのには役立つかもしれません。

AHAとアメリカ心臓病学会独自の2019年ガイドラインは、
「コレステロールと塩分量を減らした食事はASCVD (アテローム性心血管疾患)のリスクを減らすために有益であり得る」と述べ、コレステロール摂取の緩和を推奨しています。
しかし、その推奨は、それを裏付ける中程度の内容の証拠のみを持つということから、『中程度の推奨』として分類されました。
言い換えれば、ほどほどの節度が重要なのです。

「覚えておいてほしいことは本当にコレステロールに関するものです。それが含まれる食品としてたまたま卵が多く、特に卵黄が多いのです。」とアレン博士は述べました。

「健康的な食事内容の一部として、コレステロールのより少ない食事を心がける必要があります。コレステロールの消費量が少ない人は、やはり心臓病のリスクが低くなります。」  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.healthline.com/health-news/isnt-really-unhealthy-to-eat-eggs#Getting-to-the-yolk-of-it