厳しい環境に住む喘息の子供たちにとっては家族が鍵に
2019年7月25日(HealthDay News) - 家族関係が良好であれば、近所で困難な環境に直面している子供たちの喘息の影響を緩和するのに役立つかもしれないと新しい研究では示されています。
汚染やアレルゲンなどの近隣の環境要因が、喘息を持つ子供たちの呼吸に影響を与える可能性があることは知られています。
しかし、家族関係などの社会情勢の影響についてはあまり知られていません。
この研究で、ノースウェスタン大学の研究者たちは、シカゴの異なる地域に住んでいる喘息の子供たちについて調査を行いました。
心理学の教授である主執筆者のエディス・チャン博士は、次のように述べています。
「私たちは、ご近所の環境と家族関係の質との間に、臨床的に喘息の転帰を予測する有意な相互作用を見出しました。」
「子供たちが近隣が危険で環境の良くない場所に住んでいる場合、より良い家族関係があれば、症状の発現や活動の制限がより少なく、そして肺機能もより良くなります。」
と、チャン博士は説明しました。
危険や環境の良くない地域では、落書き、荒廃または放棄された車、荒廃した空き家などが近くにある無法地帯のような環境です。
喘息の症状、活動制限および肺機能は、近隣に危険がなく環境汚染度がより低い場所に住んでいた子供たちの間で一般的に良好であり、そしてそれらの家族関係はほとんど影響を及ぼしませんでした。
チェン博士によると、家族はこういった環境の悪い地域から出ることができないことが多いので、この発見は重要です。
「小児科医が、子供たちの喘息の管理に協力的な家族関係がどのように役立つかについて家族に提案をすることができれば、同時にこれらの家族の多くが直面している継続的な近隣の問題といった現実を認識しながら、家族を助けることができるかもしれません。」
支援的な家族が、子供たちが喘息管理を優先するのを助けることができる可能性があります。
そしておそらく近所の悪環境といったストレスからそれら保護し、喘息による日常生活での混乱を最小限に抑えることができるとチャン博士は述べています。
米国疾病管理予防センターによると、アメリカの子供たちの8%以上が喘息を持っています。
この研究は7月18日に小児科学誌Pediatricsで発表されました。
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