合併症のリスクに最も重要な妊娠前の体重
2019年5月7日火曜日(HealthDay News) - 妊娠中の母親と医師は、妊娠中の女性の体重の増加に焦点を当てますが、
新しい研究では、妊娠前の女性の体重の方がはるかに重要なようです。
この研究では、妊娠開始時に体重が重いほど、高血圧、子癇前症、妊娠糖尿病、帝王切開、早産などの合併症を発症する可能性が高いことがわかりました。
「母親とその乳児の妊娠合併症は、正常体重の女性の34%、および妊娠開始時に重度の肥満だった女性の60%以上に発生していました。」
と、主執筆者のロミー・ガイヤール博士は述べています。
彼女はオランダのロッテルダムにあるエラスムスMC大学メディカルセンターの小児科の助教授です。
「妊娠中の母親の体重増加に焦点を当てるのではなく、妊娠転帰を改善するために、妊娠開始前に母親の体重を最適化する必要があります。」
と彼女は述べました。
妊娠中の母親が「二人分食べる」ことを気にする必要があるという意味ではありません。
ニュージャージー州マウントキスコにあるノーザンウェストチェスター病院の産婦人科長であるナヴィド・ムータバー博士によると、
妊娠中の体重の増加は依然として深刻です。
「健康に良い妊娠をしたいのなら、妊娠前の適切な体重で妊娠するのと同じくらい、妊娠中の適切な体重増加を維持することは重要ではありません。」
とムータバー博士は述べています。
米国でも世界の他の地域でも肥満率が上昇しています。
ガイヤール博士は、生殖年齢の女性の肥満が大きな問題であると述べました。
妊娠前および妊娠中の体重が妊娠の転帰にどのように影響したかを調べるために、研究者らは約200,000人の女性を対象とした25件の研究を調査しました。
データは1989年から2015年の間に収集され、女性の平均年齢は30歳で、居住地域はヨーロッパと北アメリカでした。
研究者らは、ボディマスインデックス(BMI)を使用して体重の状態によって女性を分類しました。
BMIは、身長と体重に基づき肥満度を表す体格指数です。
たとえば、体重が148ポンド(約67kg)で、身長が5フィート5インチ(約165cm)の女性のBMIは24.6で、これは標準体重と見なされます。
調査対象となった女性の約4%が低体重(BMIは18.5以下)であり、 68%が正常体重(BMI 18.5-24.9)でした。 20%が太りすぎ(BMI 25-29.9)でした。
そして約8%がBMI 30以上の肥満でした。
肥満カテゴリーでは、6%がグレード1(BMI
30-34.9)と見なされました。ほぼ2%がグレード2(BMI 35.0-39.9)、0.5%がグレード3(BMI 40以上)でした。
これらの女性の37%程度で有害事象が見られました。
調査当時、低体重の女性は、肥満グレード3の女性の61%に対して、有害事象の発生率は約35%でした。
ガイヤール博士は、体重増加のガイドラインは女性へ助言するためには使用できるものの、
個々の女性の妊娠合併症のリスクを予測するのには役立たないと述べました。
ジル・ラビン博士は、ニューヨーク州ニューハイドパークにあるノースウェルヘルスの外来診療部門、
女性の健康プログラム
- PCAPサービス部門の共同最高責任者ですが、この研究をレビューしています。
「この研究には、自己申告による妊娠体重など、妊娠中の体重増加に関するデータにはいくつかの制限がありました。」
ラビン博士は、この研究の価値は妊娠前の体重に焦点を当てていることだと述べました。
「妊娠は短距離走ではなく、マラソンです。本当に重要なことは、妊娠するまでどのように過ごすのか、そして、単に体重だけではなく、
妊娠前に、他の代謝および栄養因子を最適化する必要があります。」
妊娠中の体重の増加は個人によって異なります。
「万能の答えはありません。それは実際の赤ちゃんの成長の仕方や、母親がどのように栄養摂取を利用しているかによって異なります。
栄養の取り方は人によるからです。」
と彼女は説明します。
最大の問題は、多くの女性が自分の妊娠前の健康状態について医師に相談しないということです。
ムータバー博士は、次のように述べています。
「女性が妊娠する前に医師へ連絡しリスク要因について話し合うことには賛成です。現在は、多くの女性が妊娠するまで病院へは行きませんから。」
この研究は、5月7日の『Journal of the American Medical Association』誌に掲載されました。
【以下のウェブサイトより引用】