合成ビタミンDを配合したクリームが皮膚がんリスクを減らす
専門家は予防が皮膚癌を避けるための最善の方法であるとして、太陽への露出の制限を勧めています。
アメリカ皮膚科学アカデミー(AAD)によると、毎日10,000人近くが皮膚癌と診断されています。
5人に1人のアメリカ人は一生のうちに皮膚癌を経験する計算です。
しかし、すでに前癌性の皮膚病変を患っている人にとっては、すぐに癌のリスクを減らす方法となるかもしれません。
2つの薬剤を組み合わせたクリームは、顔面と頭皮の扁平上皮癌(SCC)のリスクを約75%減らすことができるという新しい研究報告があります。
クリーム中の2つの薬剤とは、局所化学療法薬のひとつである5-フルオロウラシル(5-FU)、そしてカルシポトリオールと呼ばれるビタミンDの合成型です。
マサチューセッツ総合病院とセントルイスのワシントン大学医学部の研究者による研究には130人が参加しました。
彼等への顔面および頭皮の治療に関する試験結果は、彼らの約半分についてしか得ることができなかったものの、それでもなお、研究者らは、顔と頭皮の病変の治療に配合クリーム治療薬での投薬を受けた参加者は、治療後3年以上にわたり癌が発病しないままであることを発見したと述べました。
対照群の28%と比較して、7%のみがSCCを発症したとの報告です。
カリフォルニア州オレンジにあるセントジョセフ病院の皮膚科医であるターニャ・ニノ博士は本誌に対し、これは重要な研究であると述べました。
「皮膚性の扁平上皮癌(SCC)は、拡散リスクがあります。拡散した場合、治療がより複雑になり、疾患を管理することがより難しくなります。」
しかし、治療によりSCCへの警戒が解けるものではありません。
研究者たちは、おそらくカルシポトリオールと5-FUによるより長期の治療が腕や体の他の部分の皮膚癌リスクを減らすためには必要とされるかもしれないと言います。
一般的な病変
前癌性皮膚病変は日光角化症(AK)とも呼ばれます。
皮膚がん財団は、AKは「紫外線(UV)への曝露による損傷によって引き起こされる外皮がうろこ状に成長したもの」だと述べています。
それらは主に顔、はげた頭皮、耳、肩、首、手の甲、前腕などの日光にさらされる場所に現れます。
そしてほとんどのSCCは既存の病変から発生します。
「SCCは、口、唇、または鼠径部のような角質細胞(皮膚細胞)がある体のどこにでも発症する可能性がありますが、長時間の日光への露出、瘢痕、慢性的な刺激または炎症の領域で発症する傾向があります。」と、ニューヨーク州/ニュージャージー州地域において先進の皮膚科学分野での認定皮膚科医であるリチャード・トルベック博士は本誌に語りました。
早期治療がベスト
皮膚癌となると早めの治療が求められます。
「皮膚癌には2つの主要なカテゴリーがあります。SCCのような非黒色腫と、より広がる可能性が高い黒色腫です。」とトルベック博士は言います。
彼は、非黒色腫皮膚癌は皮膚細胞から発生するが、黒色腫はメラニン細胞と呼ばれる細胞から発生し、それが日焼けを引き起こすと説明しました。
「頭頸部の扁平上皮癌の予後は、早期に発見され治療されたときに優れています。」とニノ博士は述べています。
潜在的な副作用
カルシポトリオールの安全性は良好ですが、いくつかの有害作用と関連しています。アメリカのオステオパシー専門学校(AOCD)によると、副作用には以下のものがあります。
毛包炎(毛包の炎症)
灼熱感
皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)
適用箇所のかゆみや刺激
5-FUは化学療法薬の一種で、癌細胞を死滅させるチミジンと呼ばれるDNAの基礎的要素を作るための重要な酵素を阻害することによって作用します。
「副作用には、にじみや痂皮が見られる刺激感を伴う皮膚炎症の可能性があります」とトルベック博士は述べています。
「これらの副作用の最大のリスクは、慢性的な太陽光線による損傷です。ダメージが大きいほど反応は強くなります。それは不健康な細胞が死んでいることを意味するので、私たちは通常そのままにしておくことを勧めています。」
「正常な細胞は生き残ることができます。」と彼は付け加えます。
「それらは細胞分裂の増加による高い代謝要求がないからです。 5-FUは健康な肌に刺激を与えないはずです。」
紫外線による損傷が主な原因
太陽光または日焼けによって浴びた紫外線は時期尚早に肌を老化させるだけでなく、それらはまた皮膚癌の危険性を増大させます。
色白の肌の人が最も影響を受けやすいのです。
「皮膚癌はあらゆる人種で世界的に発生しています。」とニノ博士は言います。
「しかしながら、皮膚癌の発生率は、色素が薄い人で最も高いのです。」
日焼けや皮膚がんの発生を防ぐ最も簡単な方法は、対策をせずに日光浴をしないことです。
「全体的に見て、皮膚癌のリスクが最も高いのは、長時間太陽の元で過ごし断続的に日焼けをする人々です。」とトルベック博士は述べています。
「免疫システムの抑制、皮膚への放射線照射、ヒ素曝露、いくつかの化学療法薬、そして慢性の非治癒性創傷もまた皮膚癌のリスクを高めるでしょう。」と彼は付け加えました。
日焼けとビタミン
トルベック博士は、予防が重要だと言っています。
「私がすべての患者に強調しているのは、日焼けを繰り返さないように、日光への曝露を減らすことです。」
「しかし、日光を浴びすぎてしまった、またはすでに皮膚がんにかかっている場合は、1日2回500 mgのニコチンアミド(ナイアシンの一種)を摂取することをお勧めします。 」
「重要なのは、日焼け防止対策と、皮膚がんの主な原因への曝露を減らすことです。」
「紫外線は皮膚細胞にダメージを与えます。」
「紫外線への曝露は、皮膚癌の発症に対する最も予測可能なリスクです。」とニノ博士は強調しました。
終わりに
皮膚がんは私たちの日常生活のある部分では多くに影響を与えます。そしてそれは通常光線性角化症と呼ばれる前癌性の皮膚病変から発生します。
新しい研究により、2つの薬剤、5-FUとカルシポトリオール(合成ビタミンD)を組み合わせた局所軟膏が見つかりました。
効果的である一方で、この新しい治療で使用される両方の薬は副作用があり、それらは皮膚がんを予防できるというメリットと天秤にかけられます。
皮膚がんにかかるリスクを排除する方法はありませんが、それを減らす方法ならあります。
日焼け止めを使用し、余分な日光を避け、ニコチンアミドと呼ばれるビタミンB3をとることはすべてこの病気から身を守る方法として示されています。
【以下のウェブサイトより引用】