喘息は重度のCOVID-19のリスクを増加させない可能性
最近の研究のレビューでは、COVID-19で入院し、喘息のある患者の割合はより広い人口における喘息の有病率に類似していることが示唆されています。
米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)による最新のアドバイスでは、中等度から重度の喘息の人は重度のCOVID-19を発症するリスクが高い可能性があると警告しています。
しかし、コロラド大学デンバー校の科学者による研究のレビューでは、COVID-19で入院している患者の喘息の有病率が、より広い人口での疾患の有病率と比較して、増加しているという証拠が見つかりませんでした。
さらに、COVID-19で入院した喘息患者は、他の患者よりも挿管される可能性が高いことがわかりました。
「CDC が報告するところでの喘息の人はCOVID関連の入院のリスクが高いのです。」
と上級著者のフェルナンド・ホルギン博士は言います。
「しかし、多くの国際的な研究では、入院中のCOVID-19患者には、喘息患者の数が少ないことが示されています。これらの調査結果は、喘息を危険因子として想定していることに異議を唱えています。」
著者は、米国胸部学会の年報に掲載される研究著書で、次のように報告しています。
「喘息患者の罹患率と死亡率が過度に高いと、初期に懸念されたにもかかわらず、ここや他の場所に提示されたデータでは、臨床的に重要な関係の証拠が最小限であることを示しています。」
有病率の比較
分析のために、研究者らは2020年5月7日以前に英語で発表された、COVID-19で入院した患者の喘息有病率について報告した15件の研究を特定しました。
これらの研究は、ブラジル、中国、韓国、英国、米国で行われました。
彼らがこれらの数字を各集団の喘息の有病率と比較すると、その数はほぼ同じでした。
入院中のCOVID-19患者における喘息の有病率は研究ごとに大きく異なりましたが、全体的な有病率は約7%でした。
対照的に、著者らは喘息を持つ人が米国でインフルエンザで入院したすべての患者の20%以上を占めていることを発見しました。
最後に、コロラド大学病院にCOVID-19で入院した患者が喘息であれば挿管される可能性が高いかどうかを調査しました。
患者の年齢、性別、ボディマスインデックス(BMI)を調整した後、これが事実であるという証拠は見つかりませんでした。
結論として、彼らは次のように記しています。
「COVID-19で発表された研究の中で喘息の有病率は変動しますが、それは人口の中での有病率に似ており、季節性インフルエンザの間で予想されるよりもはるかに低いようです。
この研究の結果は、喘息が入院または挿管を必要とする重度のCOVID-19を発症する重大な危険因子ではないことを示唆しています。」
ACE2受容体
著者らは、吸入されたコルチコステロイドを使用する喘息の人々は、結果として気道の内層にあるACE2受容体が少ない可能性があると推測しています。
これらは、ウイルスが宿主の細胞に入るために使用する受容体です。
彼らは、一般に喘息、特にアレルギー性喘息の人は、ACE2受容体が少ない可能性があると付け加えています。
ただし、COVID-19のリスクと疾患の重症度に対するACE2受容体数の影響は依然として不明であり、さらに調査する価値があると彼らは記しています。
彼らはまた、研究にはいくつかの制限があったことを認めています。
たとえば、COVID-19で入院した患者の喘息の有病率は研究間で大きく異なり、併存疾患の報告に一貫性の欠如があったことを示唆しています。
また、一部の研究では、研究者が喘息の診断に関するデータをどのように収集したかを説明していませんでした。
著者らはまた、患者のサンプルサイズが決定的な結論を引き出すのに十分な大きさではない可能性についても指摘しています。
彼らは、喘息持ちの人々のための重度のCOVID-19のリスクについてのより多くの研究を行おうとしています。
【以下のリンクより引用】
Asthma may not increase the risk of severe COVID-19
Medical News Today