喘息患者は節約のために予防薬を服用しない

新しい研究によると、喘息治療薬の費用が高く多くの患者が処方された薬剤を服用していないようです。

ウールコックグローバルヘルス研究所（the Woolcock Institute of Global Health）のヘレン・レッドデル氏が共同執筆したこの研究によると、

全成人の半数と3分の1の子供たちは、自己負担による予防的な喘息治療薬の投与を省略しているか、または回数を減らして摂取していることがわかっています。

「医薬品給付制度がありますが、それでも患者には費用負担があります。そして喘息を持つ人々の約40％が、1か月の治療費として

最高40 オーストラリアドル（約3,000円）程度の負担が生じます。」

とレッドデル博士は述べました。

「割引カードを持っている人でも6ドル以上の負担があります。」

レッドデル博士によると、この研究では、多くの喘息患者が発作予防薬の服用を避け、より安価な市販の吸入器に頼っているといいます。

「予防薬を使用せずに単に緩和剤吸入器を使用することは絶対に危険です。予防薬を使用することでは、その危険を半分から3分の2に減らすことができます。」

これは、メルボルンで2016年に雷雨喘息により9人が死亡し、600人近くが入院し、何千人もが呼吸困難に陥った悲劇的な出来事で示されています。

入院した患者のほぼ半数が予防薬を処方されていたものの服用していませんでした。

「家族は牛乳を買う余裕がなく、呼吸する余裕もない」

サラ・リチャードソンさんの一家は、全員が喘息に苦しんでいます。

助産師であり、2人の喘息を持つ子供の母親である彼女は、緊急入院を必要とするほど深刻な状態でした。

「私は子供たちと一緒に家にいて、子供たちは救急車を呼ぶことになってしまいました。」

彼女は家族と処方箋を共有し、しばしば彼女の子供たちのための薬に使うため、コストを削減していました。

リチャードソンさんは、「私たちは同じ吸入器を共用します。」と述べました。

「私たちは1つの処方箋を家族で共用します。私たちはあらゆる種類の薬をそのように使っています。」

「値段が高いため、子供よりも多く使うことはありません。可能であれば、月120ドルも喘息治療薬に使いたくないので、1日か2日は使わないこともあります。

自分たちの喘息はもう少しで制御不能になるかもしれません。」

彼女は一般診療医からの薬の費用が上がっても泣く泣く承諾したと述べました。

「それは難しいです。また、恥ずかしいので人には知られたくありません。」と彼女は言います。

「私が通う一般診療医たちは、私が行わなければならない程度での喘息のケアを私がしていないという事実を見てそうしているのだと思います。」

「そして、ご存知のように、多くの家族、働く家族が、牛乳を買う余裕がないというこの問題を抱えており、また呼吸をする余裕もがないのです。」

患者は予防薬を避けることが多いと医者は言う

オーストラリア喘息協会（Asthma Australia）の最高経営責任者（CEO）であるミシェル・ゴールドマン氏は、

喘息は「地域社会によって過小評価されている」と言い、一般診療医はより高価なタイプの予防薬を不必要に処方することによって

問題を悪化させていると述べました。

「患者の89％がより高価な併用療法薬を処方されていますが、70％はより安価な吸入コルチコステロイド単剤で良好な管理ができるはずです。」

とゴールドマン氏は述べました。

「一般診療医には門番の役割があります。医師らは患者と接しどのような薬を処方するのかを決定するのですから。」

「そのため、喘息治療薬へのさらなる助成金と共に、医療関係者への教育を行う必要があります。」

「もし調子が良ければ、錠剤を飲むのは最後の手段にしたいはずです。」

The Royal Australian College of General Practitioners (RACGP)の学長である、ハリー・ネスポロン博士は、一般診療医が根本的に喘息治療薬が

利用可能だったものとその関連費用を誤解していたということを否定しました。

「私は確かに毎回患者への処方薬の値上げを行ってはいません。しかし、患者が上げてほしいと思っているのなら、まず話してもらえると嬉しいです。」

「それは本当に患者次第です。恥ずかしさは両方にありますから。」

ネスポロン博士は、それがすべての予防的投薬に伴う問題であると述べました。

「血圧の錠剤であろうが、抗うつ剤であろうが、抗喘息薬であろうが、処方薬の服用を遵守しないことは全ての問題なのです。」

と彼は述べました。

「患者さんは、気分がよくなると薬を飲みたがらなくなる傾向があります。」

【以下のウェブサイトより引用】