喫煙は女性のがん検診の受診率と密接に関連
喫煙は女性のがん検診の利用率の低下と強く関連しており、がんと診断された後はさらに疾患は進行するとオンラインジャーナル『BMJ Open』に発表された研究で明らかになっています。
タバコの使用は世界の多くの地域で減少していますが、女性の減少率は男性ほどではありません。
研究者によると、肺癌は依然として女性での癌による死亡の主要な原因となっています。
女性が、がん検診を十分に活用していないことを示しているため、研究者はこれらのサービスの受診率の低下が喫煙に関連しているかどうか調査しました。
彼らは、閉経を経験し、国の代表的な『女性の健康イニシアチブ観察コホート(WHI-OS)研究』に参加していた89,058人の女性からの調査回答を利用しました。
89,058人の参加者のうち、半数以上(53%)が未喫煙者でした。
また41%は元喫煙者でした。そして、その時点では、6%が喫煙を行っていましたがほぼ半分(49.5%)が最後のデータ収集時までに喫煙をやめていました。
彼女たちの健康と、がん検診の利用については平均でほぼ9年間追跡され、その間、乳癌は7,054症例、腸癌は1,600症例、子宮頸癌は61症例の診断がありました。
元喫煙者は非喫煙者よりも定期的にがん検診を予約する傾向にありましたが、現喫煙者は検診を受ける可能性が大幅に低いことがわかりました。
「自分の健康への懸念が、元喫煙者の間で禁煙を行った最も一般的な理由であり、この健康志向の人々が、喫煙したことがない人よりも頻繁にがん検診を求める理由を説明しているかもしれません。」
と研究者らは示唆しています。
「逆に、喫煙者の場合は、自分の健康について過度に楽観的であり、癌リスクの大きさを常に過小評価しています。」
と彼らは付け加えました。
喫煙したことがない女性と比較して、現在も喫煙を行っている人は乳がん検診を受ける可能性が45%低く、子宮頸がん検診を受ける可能性が47%低く、腸がん検診を受ける可能性は29%低くなりました。
また、以前、そして現在の両方で喫煙していた人の間では、タバコの毎日の本数(集計値)が高いほど、これらの女性ががん検診を利用する可能性は低くなりました。
検診の予約を定期的に行わないことは、診断時により疾患が進行していることにも関連しており、現在、喫煙を行っている人は、喫煙したことがない人と比べて、後期乳がんと診断される可能性がほぼ3倍、後期の腸がんと診断される可能性が2倍以上高いことがわかりました。
これは観察研究であるため、原因を特定することはできません。
参加者には閉経後の女性のみが含まれており、自己報告に頼るものであったと研究者らは述べています。
そうとは言うものの、彼らは次のように結論付けています。
「能動喫煙は、乳房、結腸直腸、および子宮頸がんの検診の受診率の減少に関連しています。さらに、がん検診は、すべての喫煙を行っている患者の後期症状を避けるために重要ですが、適切な検診を受けていない喫煙者は、 進行性乳がんまたは結腸直腸がんと診断される確率が大幅に高くなります。」
また、研究者らは、医師は喫煙を止めるように勧めるだけでなく、このようなハイリスクの女性のグループへはがん検診を利用することの重要性をもっと説くべきであると助言しています。
【以下のリンクより引用】
Smoking strongly linked to women's lower take up of cancer screening services
Medical Xpress