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JapanRx / 塩分の多い食事は「認知機能低下と認知症発症リスクを高める」

塩分の多い食事は「認知機能低下と認知症発症リスクを高める」

ネーチャー・ニューロサイエンス誌に掲載された新しい研究によると、塩分の多い食事は脳血管疾患と認知症のリスク増加と関連していると言います。

ヒトおよびマウスの細胞を使用した実験は、塩辛い食べ物は炎症性免疫反応を誘発し、これは脳から酸素を奪うことで、ニューロンを損傷し認知障害を引き起こすことを示しています。

このマウスにはまた、認識テストにおいて新しい対象を識別際に苦労している様子が見られました。
これは、マウスの非空間メモリが劣化したことを示しています。塩の消費量が通常になると、これらの作用は逆転しました。

研究中、研究者らは塩分の多い食事(人間にとっての1日小さじ1杯に相当)をマウスに与えました。
塩分の多い食事を摂ったマウスには、逃げ穴を発見する能力をテストした際、迷路を進むのに苦労する様子が見られました。
これらのマウスはまた、巣作りの能力も低下していました。

これは、腸の塩分に対する免疫反応によって部分的に説明できるかもしれません。
この免疫反応にはTh17細胞数の増加が含まれ、この細胞はIL-17と呼ばれる炎症性化学物質を放出し、内皮細胞の損傷と脳への血流減少を引き起こします。

この化学反応は、海馬の新しい記憶形成を可能にするプロセスにおいて不可欠であり、認知機能にとって重要となる一酸化窒素を抑制します。
アルツハイマー病の患者は、脳への血流が減少していると考えられています。

マウスにおける塩分の多い食事の作用は、4週間後に逆転しました。
脳スキャンを実施すると、この時点では血流と内皮機能が健康な状態に戻っていました。

英国アルツハイマー行研究所(Alzheimer's Research UK)の研究責任者は、この結果は、ライフスタイルの変化や新しい処方薬の服用開始により、これらの作用を逆転、もしくは予防できることを実証していると述べています。

「この研究は、脳の健康に影響する免疫機能の重要性を強調するだけでなく、腸内の変化が何かしらの役割を果たす可能性を示唆しています。」

「この調査結果は、食事から過剰な塩分を減らすこと、ならびに記憶障害や認知症のある人のための新たな治療法を探すことの重要性を示しています。」

出典:2018年1月16日更新『High-salt diet ‘increases risk of cognitive decline and dementia’』Health Spectator UK(2019年4月15日に利用)
https://health.spectator.co.uk/high-salt-diet-increases-the-risk-of-cognitive-decline-and-dementia/