変形性関節症による関節痛？治療する人しない人
私達の関節は長年にわたっていじめられています。
骨の端にある保護軟骨がすり減ることが、65歳以上のアメリカ人の半数が変形性関節症にかかっているという理由の一つとなっています。
これは、膝、腰、手などの部分に痛みやこわばりを引き起こし、歩く、階段を上る、歯を磨くなど、また、ドアノブやペンを握ることさえ困難になることが あります。
変形性関節症には根本的な治療法がないため、痛みを和らげることが重要となります。
しかし、多くの高齢者は疼痛緩和薬を長期にわたって摂取し続けることが困難であるとカリフォルニア大学サンフランシスコ校（UCSF）の老人医療 センター副部長であるペイ・チェン氏は述べています。
この治療にはオピオイドなどの潜在的に中毒性がある薬が時々使用されます。
幸いなことに、非薬物治療はほとんど副作用がなく、多くの人々にとって効果的です。
体重を管理する
あなたが太りすぎである場合は、2、3キロ落とすことで、痛みを緩和し疾患部の機能を助けることができます。
もっと好ましいこととして、アメリカのリウマチ学会式誌『Arthritis Care & Research』で発表された2018年の研究では、体重の10％を減量した場合、 膝の痛みが最大50％低下することが確認されています。
「食事でも違いがでるかもしれません。」
と、クリーブランドクリニックの整形外科医である、ドミニク・キング氏は言います。
脂肪の多い魚、健康的な脂肪、果物、緑豊かな野菜、ナッツが豊富な食事は、関節炎に伴う炎症の一部を和らげるのに役立ちます。
運動を続ける
運動をするとより多くの痛みが引き起こされるように思えるかもしれませんが、研究では必ずしもそうではないことが示されています。
2015年に行われた54件の研究レビューでは、運動プログラムが非ステロイド性抗炎症薬（NSAID）と同じくらい効果的に痛みを和らげ、 変形性膝関節症による患部の機能を改善することがわかっています。
米国政府は、週に150分の適度な活動（ウォーキング、サイクリング、水泳）に加えて、週に2回の筋肉の強化を勧めています。
太極拳や、簡単なヨガなどがお勧めです。
アメリカの老年医学会誌（the Journal of the American Geriatrics Society）の2017年の研究では、チェアヨガでさえも効果的であることが わかっています。
どうやってはじめる？
ニューヨークにある、マウントシナイ保険システムのリハビリテーション医学部門の、ジョセフ・ヘレラ博士は次のように述べています。
「実際に一度も運動したことがない場合は、私は、最初に、患者が適切な方法で運動を行っているのかどうかを確かめるために、まず理学療法を 受けてもらいます。」
「すでに運動を行っている場合は、まず最初にそれが役立つかどうかを確認するための家庭用運動プログラムのプリントを渡しています。」
数週間運動しても改善しない場合、または疼痛で運動ができない場合は、理学療法が役に立つ可能性があります。
ニューヨーク大学整形外科のスペシャリストであり、アメリカ整形外科外科学会の広報担当を務める、クローデット・ラハム氏は、
「運動と理学療法を通して関節炎を起こしている関節の周りの筋肉を強化することができれば、あなたはその関節の負荷をなくすことができます。」
と述べています。
薬を使う際には注意する
激しい痛みがある場合は、少なくとも理学療法を終え、市販薬の痛み止めが勧められる場合があります。
NSAIDのナプロキセンは、米国整形外科学会誌（the Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons, JAAOS）の2018年の研究で、 変形性膝関節症に対して最も効果的であるとランク付けされました。
しかし、NSAIDは出血を含む胃腸障害を引き起こす可能性があります。
「私は患者が一般的に、2、3週間以上NSAIDを使用すると胃の不調が現れることがわかりました」とチェン氏は言います。
そのため、チェン氏は、より長期間の服用で痛み止めを必要とする場合は、アセトアミノフェンを提案しています。
一部の医師は関節の痛みを抑えるために局所クリーム処方薬を推薦するかもしれません。
しかし、これらは自己負担が何千ドルにもなる可能性があり、プラセボ以上の利益はないことが米国内科学会 の学術雑誌、 アナルズ・オブ・インターナル・メディシン（Annals of Internal Medicine）誌での最近の研究でわかっています。
多くの人が、関節置換術のを行う前、数カ月間は強力なオピオイドを使用します。
しかし、研究によると、それらは変形性関節症に対しては市販の鎮痛薬以上の効果がないことがわかっています。
注射には注意を
ステロイド注射は一時的に炎症や痛みを和らげることができますが、関節や軟骨を傷つける可能性があります。
膝関節へのヒアルロン酸の注射は、潤滑剤のように作用すると考えられています。
しかし、米国整形外科学会誌（JAAOS）での2018年の調査では、それはあまり役に立たないことがわかりました。
多血小板血漿の注射では、血小板があなたの血液から抽出され、患部の関節に再注射されます。
Arthroscopy誌に掲載された6件の研究の2016年のレビューでは、ヒアルロン酸を投与された患者と比較して、多血小板血漿の注射後12ヶ月までに 著しい痛みの軽減が報告されたことがわかりました。
しかし、この実験的な治療は費用がかかる可能性があり、通常は保険が適用されません。
最終手段としての手術
整形外科医はの中には関節鏡検査という、膝に挿入された小さなカメラは医者が軟骨の裂け目を修復し、軟骨の破片を除去する治療を推奨する 医師もいます。しかし、研究によれば、運動療法に勝るものではないようです。
膝や股関節置換術に関しては、いくつか手術ではない治療をすでに試していて体重も健康範囲内であるものの、日常生活を楽しむことが できなくなり、生活の質が低下していると感じている人に適した治療法であるとキング氏は言います。
手術を受けると決めたら、合併症率が3％以下で、1年に少なくとも50回の膝関節または股関節置換術を行う外科医がおり、かつ、毎年400回以上の 関節置換術を行い、全体の感染率でも1％未満の病院を探してください。
水泳を試してみる
運動を行うと痛みますか？それは関節にほとんど圧力をかけないので、水泳は変形性関節症の人々にとって理想的だとヘレラ博士は言います。
Journal of Rheumatologyに発表された2016年の研究では、週に3日、45分間の水泳を12週間続けた変形性関節症で座りがちな生活スタイルの人は、サイクリングと同じくらいの痛みやこわばりの減少効果が見られたことが報告されています。
水泳は水の中で行う良い運動ですが、すべての関節と筋肉を動かすようにストロークを変えて泳ぐようにしてください。
多くのスイミングセンターで、関節炎の人々を対象としたクラスがあります。
【引用記事】
Suffering joint pains from osteoarthritis? Some do’s and don’ts on getting relief.