多発性硬化症はより高いがんリスクに関連する

2019年7月1日（HealthDay News） - 多発性硬化症は、管理しながら生活するのが難しい疾患ですが、

新しく報告された長期にわたるノルウェーでの研究では、癌のリスクも高める可能性があることが示唆されています。

全体として、そのより高いリスクは小さく、わずか12％でした。

しかし、中枢神経系（脳、脊髄、視神経）癌や泌尿器癌などの特定の癌のリスクは、多発性硬化症（MS）患者で約50％高い結果となりました。

また、呼吸器系がんはMS患者の約3分の2が発生する可能性が高いと同研究では見出されました。

しかしながら、この研究はMSを持つ人々へ懸念を与えるだけではありませんでした。

70年に及ぶ研究ではまた、本人自身はその疾患に罹患していないMS患者の兄弟姉妹が、MSに罹患している彼らの兄弟姉妹、

およびMSのない一般の人と比較して、白血病などの血液癌のリスクを約80％増加させたことを示唆しました。

兄弟姉妹は遺伝子と環境暴露の両方を共有しているので、研究者らの調査結果はMSと血液の癌（血液癌）の間で

共通の原因を示しているかもしれません。

National MS Societyのリサーチ担当副社長であるブルース・ベボ博士は、次のように述べました。

「これはMSの合併症の可能性に注目を集めた、よくできた研究ですが癌の全体的なリスクは中程度のものでした。」

ベボ氏によると、この研究は人々の意識を高める可能性が高く、それによって癌のスクリーニングを受け、

喫煙などの危険因子を減らすことにもっと熱心になれば、命も救う可能性があるといいます。

しかしベボ博士はまた、他の研究では結果が混在していることを指摘し、いくつかの研究では癌のリスクが高まることを示したものもあれば、

そうでないものもあったと述べています。

さらに彼は、これらはまだ査読されていない医学会議で発表された予備的発見であることに注意することが重要であると述べました。

デトロイト医療センターの神経科医、ロバート・リサック博士は、この所見をさらに検討する必要があることに同意しました。

彼は、この研究は癌とMSの間の関連性を示すにすぎないことを付け加えました。

この因果関係はまだ証明されていません。ノルウェー・ベルゲンにあるHaukeland大学病院の研究者であるニーナ・グリッテン博士が率いるこの研究には、

1930年から1979年に生まれたノルウェー在住の約55,000人のデータが含まれていました。

約7,000人がMS患者であり、約9,000人がその人の兄弟姉妹で、本人自身はMSではありませんでした。

MSには全くかかわりがなく自分自身もMSでない人も38,000人近くいました。

研究者らは、泌尿器癌、呼吸器癌、中枢神経系癌など、MS患者の特定の癌のリスク増加は、そのグループにおける過剰な喫煙が原因である

可能性があると述べました。

リサック博士は、この調査にはノルウェー人でのみ行われたため、結果は米国のようなより多様な人口で行われた場合は異なるかもしれないと指摘しました。

また、特にこの情報が収集されている間にMSの治療法はかなり進化してきました。

「ここの参加者はMS治療において別々の時代を生きている患者たちです。」と彼は述べました。

MSの治療法の中には免疫系に影響を与えるものがあるため、ベボ博士は、今日でもがんのリスクが高まる可能性があると述べました。

彼は、この研究はMSの患者にもそうでない人達にもコントロールできる癌の危険性を常に掌握することを心に留めさせるものだと述べました。

「健康的なライフスタイルは、MS、がん、心臓病、糖尿病にとって重要です。」

とベボ氏は言います。

リサック博士は、喫煙をやめることは、癌のリスクを減らすのに良いだけではないと述べました。

「私たちは今、喫煙がMSを発症する危険因子であることを知っています。そして喫煙はMSの進行を早めます。喫煙は止めましょう。」

この研究は先週土曜日にノルウェーのオスロで開催されたヨーロッパ神経学会の学会で発表されました。

【以下のウェブサイトより引用】