大気汚染により緑内障のリスクが高まる
2019年11月29日(HealthDay News)- 新しい研究では、高レベルの大気汚染は、視力を奪う病気である緑内障の発症を高める可能性があることが示唆されています。
研究者は、2006年から2010年の間に視力検査を受けたイギリス全土の111,000人以上のデータを分析しました。
彼らは不可逆的な失明の主な原因となる緑内障のリスクは微粒子状物質(PM2.5)の大気汚染が最も高い地域に住んでいた人々の中で少なくとも6%増加していたことを発見しました。
データ分析での参加者はまた、緑内障の進行で起こる目の変化の1つである、網膜菲薄化の可能性がはるかに高いことがわかりました。
「大気汚染は公衆衛生の優先事項として扱われるべきであり、大気汚染の原因を避けることは他の健康上の懸念と並んで眼の健康にとって価値があるというさらに別の理由がわかりました。」
と研究著者でロンドンにあるユニバーシティカレッジオブロンドン(UCL)とムーアフィールズアイ病院のポール・フォスター博士は述べました。
この研究は、11月25日に『Investigative Ophthalmology&Visual Science』誌に掲載されました。
「まだ因果関係であることを確認できませんが、大気汚染が実際に緑内障を引き起こすかどうかを判断するための調査を続けたいと考えています。そして、健康上のリスクを軽減するために、人々が大気汚染への暴露を減らすのに役立つ回避戦略があるかどうかを調べる予定です。」
とフォスター博士はUCLのニュースリリースで述べました。
緑内障は、世界中で6,000万人以上に影響を及ぼしています。
最も一般的な原因は、眼内の液体による圧力の蓄積であり、これは、眼と脳を繋ぐ視神経を損傷します。
「緑内障のほとんどの危険因子は、高齢や遺伝などの制御不能なものです。この研究では、眼圧の変化に続く、緑内障の第二の危険因子を特定した可能性があります。それはライフスタイルの変化や、治療、または政策の変更により変えることができます。」
とフォスター博士は述べました。
また筆頭著者でUCL眼科学研究所およびムーアフィールズアイ病院のシャロン・チュア博士はは次のように述べています。
「大気汚染による血管の収縮により緑内障を引き起こしている可能性があり、それは大気汚染と心疾患のリスク増加との関連につながります。別の可能性は、微粒子が神経系に損傷を与え、炎症に寄与する直接的な毒性効果を持つ可能性があるということです。」
以前の研究では、緑内障の割合は農村部よりも都市部で50%高いことが示されており、これらの新しい発見は大気汚染がその違いの要因である可能性を示唆しています。
「世界規模では粒子状物質汚染が比較的少ない英国で研究が行われたことを考えると、緑内障は世界の他の地域では大気汚染により更に強く影響を受ける可能性があります。私たちの分析では、実際の影響はさらに大きくなる可能性があります。」
とフォスター博士は述べています。
大気汚染は、心臓や肺の病気、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中などの脳の病気のリスクの増加とも関連しています。
【以下のリンクより引用】
Air Pollution May Up Glaucoma Risk
HealthDay