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大気汚染の都市の空気はMSのリスクを高めるかもしれない

イタリアの研究者は、大気汚染が多発性硬化症(MS)のリスクを高める可能性があると報告しています。

彼らは、粒子状物質と呼ばれる大気汚染の小さな粒子のレベルが低い場所では、MSのリスクがそれらのレベルが高い地域よりも低いことを発見しました。

都市部では、そのリスクは郡部よりも29%高くなりました。

「私たちの調査結果は、粒子状物質の濃度が低いほどMSの有病率が低いことを示しており、大気汚染が多発性硬化症の危険因子の1つである可能性があることを示唆しています。」

と、イタリア・パヴィーアにあるIRCCSモンディノ財団の多発性硬化症センターの所長で研究主任のロベルト・ベルガマスキ博士は述べました。

ベルガマスキ博士は、この研究は大気汚染がMSを引き起こしていることを証明するものではなく、関連があるように思えるということを強調しています。

「大気汚染を減らすという対策は、心臓病や肺疾患に関連する死亡を減らすだけでなく、MSのような慢性自己免疫疾患のリスクも減らすために、公衆衛生にとって重要です。」

とベルガマスキ博士は述べました。

なぜ大気汚染がこの病気を引き起こすのかを解明するためには、さらなる研究が必要です。

MSには多くの原因があり、いくつかの環境要因が異常な免疫反応を引き起こす可能性があると言われています。

世界中で、MSと共に暮らしている人の数はこれまでになく増えています。

そのほとんどの患者は再発寛解型で苦しんでいますが、それは、倦怠感、歩行困難、しびれ、痛みや筋肉のけいれんなどの予期せぬ症状を引き起こします。

ベルガマスキ博士によると、MSで最も研究されている環境要因は、ビタミンDのレベル、喫煙、食事ですが、大気汚染を含め他にも研究に値する要因があります。

「この調査が行われたイタリア北部という私たちの地域は、ヨーロッパで最も汚染されている地域の1つであるため、大気汚染問題に対して非常に敏感です。」

と彼は述べました。

微細粒子状物質(PM)は、最も有毒な大気汚染物質の1つです。

ベルガマスキ博士によると、主な汚染源は、家庭の暖房、産業活動、化石燃料の燃焼などです。

世界保健機関によると、汚染された空気を吸い込んだために世界中で約420万人が早死にしています。

研究のために、ベルガマスキ博士のチームは、イタリアのロンバルディア地域の900人を超えるMS患者について調べました。MS症例数は過去50年間で10倍に増加しています。

1974年のMS症例の割合は、10万人あたり16人でした。

今日、それは10万人あたり170人であると研究者たちは述べています。

より多くのMS患者がより長く生きているので、患者の急上昇の一部は説明ができますが、それは危険因子へのより大きな曝露から生じるかもしれないと彼らは指摘しました。

粒子状物質は、心臓や肺の疾患、癌、呼吸器系の問題に関連する空気中の固体粒子と液滴の混合物です。

「この研究では、MSの潜在的に修正可能な危険因子として粒子状物質に関するさらなる情報が追加されています。」

とニューヨーク市にあるレノックスヒル病院の神経科医で、MS患者の治療に当たるアサフ・ハレル博士は述べました。

「この結果は興味深いものですが、年齢、家系、喫煙、体重、日光への曝露の状態など調整する必要のある交絡因子が多くあります。」

「例えば、都市部で非常に多いのが、日光への露出が減少している可能性であり、それはMSの危険因子として示唆されています。」

この研究は、大気汚染とMSを調査した最初のものではありません。ハレル博士は、MSの成人と小児の両方で以前に研究が行われたと述べました。

汚染と粒子状物質が寄与している可能性があると示唆する人もいますが、看護師への健康調査では、年齢、喫煙、体重、日光への曝露を調整した後の大気汚染物質とMSリスクとの関連は示されませんでした。

一部は汚染と粒子状物質が寄与するかもしれないと示唆しましたが、看護師の健康調査(the Nurses' Health Study)は年齢、喫煙、体重と日光への曝露を制御した後の大気汚染物質とMSリスクとの関連はしめされなかったと彼は述べました。

看護師の健康調査は、女性の主要な慢性疾患の危険因子を調査した最大の研究の1つです。

「現在の研究結果をさらに分析し、これらの発見を説明する可能性のある潜在的な交絡因子を調整することが重要です。」とハレル博士は述べました。

 

【以下のリンクより引用】

Dirty City Air Might Raise MS Risk

Health Day