大気汚染や騒音公害により心疾患になりやすくなるかもしれない
2021年10月8日(ヘルスディニュース)-大気汚染と交通騒音に何年もさらされると、心不全にかかりやすくなる可能性がある、と新しい研究が警告しています。
「特定の大気汚染物質や道路交通による騒音に長期間晒されると、特に元喫煙者であったり、高血圧症である場合は、心不全の発症リスクが高まることがわかりました。そのため、予防的および教育的な対策が必要です。」
と、コペンハーゲン大学の環境衛生学部の助教授 である主任研究著者のユン・ヒー・リム氏は述べています。
「こういった公害への曝露による影響を最小限に抑えるために、排出規制措置など、広範な公的な対策を行う必要があります。個人のリスクを軽減するために、禁煙や血圧管理などの対策が奨励される必要があります。」
と彼女は付け加えました。
リム氏の研究では、デンマークにおいて15年〜20年間追跡された22,000人を超える女性看護師のデータが分析されました。
研究者は、空気1立方メートルあたり5.1マイクログラム(µg / m3)が3年間にわたって微粒子状物質の大気汚染(PM2.5)にさらされる毎に、心不全のリスクが17%上昇することを発見しました。
3年間で二酸化窒素(NO2)への暴露が8.6 µg / m3増加するごとに、心不全のリスクは10%増加しました。
また、3年間で道路交通での騒音に晒される値が9.3デシベル増加するごとに、心不全のリスクは12%増加しました。
しかし、10月6日にJournal of the American Heart Association(アメリカ心臓協会
誌)に発表された研究によると、微粒子状物質への曝露の増加と、元喫煙者であることが心不全のリスクでは、72%もの増加と関連していました。
「大気汚染と道路交通による騒音という2つの環境要因がどのように相互作用したかに驚きました。」
とリム氏は協会誌のニュースリリースで述べました。
「大気汚染は、道路交通による騒音と比較して、心不全の発生率においてのより強い要因でした。しかし、高レベルの大気汚染と道路交通騒音の両方にさらされていた場合、女性では、心不全のリスクが最も増加しました。
「さらに、研究参加者全体の約12%が研究の登録時に高血圧症を患っていました。」
とリム氏は述べています。
「しかし、心不全を発症した看護師の30%は以前に高血圧の既往歴があり、大気汚染に最もさらされやすかったようです。」
【以下のリンクより引用】
Air and Noise Pollution May Make You Vulnerable to Heart Failure
Healthday