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大気汚染粒子が脳に侵入することで、アルツハイマー病の原因となる可能性

ランカスター大学が行った研究によると、大気汚染による小さな磁性粒子が人間の脳内で発見されているといいます。

米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に掲載されたこの研究は、マグネタイト(過去にアルツハイマー患者の間で高濃度にみられた強力な有毒ミネラル)が、メキシコシティとマンチェスターに住む3歳~92歳の37人の脳内で見つかったことがわかりました。

研究者らは、マグネタイトを同定するために分光分析を用いました。
観察された粒子のほとんどは直径150ナノメートル以内の球体であり溶融表面を有しており、これらは全て自動車エンジンや暖炉などによる高温形成の特性であるため、脳内で自然に形成するマグネタイト粒子と汚染を区別することができました。

200ナノメートルよりも小さい粒子は、鼻孔を通って脳に直接侵入します。

この研究の筆頭筆者であるバーバラ・マヘール教授は、次のように述べています。
「私たちが見つけた粒子は、都市の大気汚染中、特に混雑した道路付近で多量に見られるマグネタイトナノ粒子と酷似しており、これは自動車エンジンやブレーキが燃焼または摩擦加熱することで形成されます。」

「私たちの研究結果は、大気中のマグネタイトナノ粒子が人間の脳に入り込む可能性があることを示しており、これはアルツハイマー病やその他疾患などの健康リスクをもたらし得ます。」

同研究の共同執筆者の一人であるデイビッド・アルソップ教授は、次のように述べています。
「この発見は、さまざまな脳疾患を引き起こす可能性のある環境危険因子に関する研究において、新たな道を切り開きました。」

出典: 2016年9月12日更新 Health Spectator UK 『Air pollution particles that can enter the brain may be a factor in Alzheimer’s』(2019年5月28日に利用)
https://health.spectator.co.uk/air-pollution-particles-that-can-enter-the-brain-may-be-a-factor-in-alzheimers/