大腸がん:アスピリンは保護遺伝子を活性化する
日付 :2023 年 11 月2日
ソース:ルートヴィヒ マクシミリアン大学ミュンヘン(LMU)
概要 :研究者らは、アスピリンが結腸直腸がんを抑制できるシグナル伝達経路を特定
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LMUの研究者らは、アスピリンが結腸直腸がんを抑制できるシグナル伝達経路を特定しました。
結腸直腸がんは、世界で3 番目に多いがんの形態であり、毎年約 190 万人が新たに診断され、90 万人が死亡しています。
そのため、臨床上、緊急に病気の予防が必要です。
アスピリン/アセチルサリチル酸は、結腸直腸癌の予防に最も有望な候補の 1 つであることが証明されています。
他の研究結果においても、心血管疾患患者が数年間にわたって低用量のアスピリンを服用すると、結腸直腸がんのリスクは低下することが研究で示されています。
さらに、アスピリンは結腸直腸がんの進行を抑制することができます。
今回、LMUの実験・分子病理学教授、ヘイコ・ヘルメキング博士が率いるチームは、どの分子機構がこれらの影響を媒介するのかを調査しました。
研究者らが医療誌『Cell Death and Disease細胞死と疾患』で報告しているように、アスピリンは miR-34a および miR-34b/c と呼ばれる2つの腫瘍抑制マイクロRNA 分子(miRNA) の生成を誘導します。
これを行うために、アスピリンは酵素 AMPK に結合して活性化し、次に転写因子 NRF2 を変化させて細胞核に移動し、miR-34 遺伝子の発現を活性化します。
この活性化を成し遂げるためアスピリンはNRF2 を阻害する癌遺伝子産物 c-MYC を抑制します。
これらは、結果として、miR-34 遺伝子が結腸直腸癌細胞に対するアスピリンの阻害効果を媒介するために必要であることを示しています。 そのためアスピリンは、miR-34欠損癌細胞の移動や浸潤、転移を防ぐことができませんでした。
『miR-34 遺伝子』が転写因子p53 によって誘導され、その効果を媒介することはすでに知られていました。
「しかしながら、我々の結果は、アスピリンによるmiR-34遺伝子の活性化がp53シグナル伝達経路とは独立して起こることを示しています。」
と、ヘルメキング博士は次のように述べています。
「p53をコードする遺伝子は、結腸直腸癌において最も一般的に不活化される腫瘍抑制遺伝子であるためこれは重要です。
さらに、他のほとんどの種類の癌では、殆どの場合でp53 が突然変異またはウイルスによって不活化されます。
したがって、将来的にはそのような場合にアスピリンが治療に使用される可能性があります。」
【以下のリンクより引用】
Bowel cancer: Aspirin activates protective genes
ScienceDaily