女性はおなかに余分なお肉が1キロ付くと糖尿病のリスクが高まる
研究により体脂肪過剰につくことが糖尿病のリスクを高める可能性があることはわかっていますが、新しい研究では、特にある種の脂肪、 特に臓器や腸の周りに蓄積する「目に見えない」脂肪が、少なくとも女性においてはこのリスクを7倍以上に高めることが示されています。
過剰な体脂肪は2型糖尿病を含む多くの代謝疾患ではよく知られているリスクですが、最近の研究では、体脂肪の量がリスクに寄与する唯一の要因ではないことを示す証拠が集まっています。
本誌が昨年取り上げた研究では、医師は糖尿病のリスクを理解するために、体内の脂肪の量だけでなく、体のどこに脂肪が蓄積するかを評価する のがよいかもしれないと説明しました。
そして今、スウェーデンのウプサラ大学の研究で、内臓脂肪と呼ばれる、臓器や腸の周囲に蓄積する脂肪が、特に女性において2型糖尿病のリスクを高める重要な要因であることがわかりました。
トルニー・カールソン博士が共同主催するチームは、英国のバイオバンクを通じてアクセスした325,153人のデータを調査しました。
内臓脂肪は「見えない」ため、人の体にどれだけ蓄えられているかを知るのは困難です。
そのためには、専門家がMRIやCTスキャン、二重エネルギーX線吸収測定法などの高価なテストを実施する必要があります。
しかし、Nature Medicine誌に研究結果が掲載された彼らの研究では、研究者は体脂肪を推定するために、より簡単で費用効率の高い方法を開発し さらに分析を行いこの形態の脂肪が健康リスクにどのように寄与したかを確立しました。
「内臓脂肪の量を測定するには、高度で費用のかかる画像診断技術が必要ですが代わりに、内臓脂肪自体よりも簡単に測定される他のパラメータ から個人の深部腹脂肪量を推定するといった簡単な方法を開発しました。そのため、ほとんどのクリニックで使用が可能です。」
女性のリスクは7倍以上
研究コホートの内臓脂肪推定値を計算した後、研究者は、高血圧、心臓発作、狭心症、2型糖尿病、および高脂血症といった最大の危険因子を 内臓脂肪で特定できるようにしたゲノム規模の関連分析を実施しました。
最初の発見は非常に直感的であると思われるかもしれませんが、科学者たちは同様にいくつかの予期しない結果に直面しました。
「私たちは、内臓脂肪が男性よりも女性の病気のリスクに強く関連していることに驚きました。」
とウプサラ大学の助教授である共同研究者のオーサ・ヨハンソン博士は述べています。
そして、リスクの最も高い増加が見られたのは2型糖尿病でした。
「女性では内臓脂肪が1キロ増えると2型糖尿病のリスクが7倍以上増加しますが、同量の脂肪の蓄積は男性では2倍強のリスクしかありません。」
とヨハンソン博士は言います。
しかし、研究者はこれがすべての女性に当てはまるわけではないと説明しています。
彼らによると、このリスクの増加は、最初に内臓脂肪が少量または中程度の量しかない個人で最も急速に発生します。
腹部の脂肪が多い人がさらに多くの脂肪を蓄え続ける方が2型糖尿病のリスクの増加ははるかに少ないことをチームは見つけました。
「このような非線形効果を研究するのは非常に興味深く、内臓脂肪と病気の関係の背後にある生物学を理解するのに役立つかもしれません。」 とカールソン博士は言います。
研究の別の部分で、研究者はまた、人が体に蓄える可能性が高い内臓脂肪の量に寄与する遺伝子を特定しました。彼らは200個以上を正確に特定することができました。
研究チームは、これらの遺伝子の多くが行動に関連していることを指摘し、過食や運動不足などの不健康な習慣が、臓器の周りに脂肪を過剰に ため込んでしまうことの最も重要な原因であることを示唆しています。
しかし、研究者はまた、体脂肪が多いようには見えない人々には、健康に有害であるかもしれない過度の「隠れ内臓脂肪」があるかもしれないと警告しています。
カールソン博士と同僚は、彼らが開発した内臓脂肪を推定する新しい方法により、専門家が心血管または代謝疾患のリスクがある人を簡単に特定 できるようになることを望んでいます。
「この研究による発見は、内臓脂肪の測定を単純化することで、糖尿病や心血管疾患を発症するリスクが高い人々をより簡単に特定できる可能性があります。」
とカールソン博士は結論付けています。
【以下のウェブサイトより引用】
1 extra kilo of deep belly fat can increase diabetes risk in women
MEDICAL NEWS TODAY