女性喫煙者は心疾患のリスクが特に高い
2019年6月24日(HealthDay News) - 喫煙はすべての人の心臓発作の危険性を増やしますが、若い女性では更にそうだと、新しい研究が示しています。
英国の研究者は、2009年1月から2014年7月の間に、英国のヨークシャー地域で発生した3,300症例を超える、「急性ST上昇型心筋梗塞(STEMI)」
のデータを調べました。
STEMIは大きな心臓発作と呼ばれ、主要な心臓動脈の1つが完全に閉塞することによって引き起こされます。
以前の研究では、喫煙はSTEMI症例のほぼ50%に関連づけられています。
この研究において、現在喫煙中の患者の割合は、男性が47.6%、女性が46.8%でした。
年齢や性別に関係なく、喫煙はすべての患者でSTEMIのリスクを高めましたが、
リスクは男性より女性の方が高かったことがこの研究では見出されました。
男性と女性の喫煙者間の最大のリスク差は50歳〜64歳の間でしたが、両方の性別において、最大のリスク増加が見られたのは18歳〜49歳の間でした。
この年齢層の喫煙者の女性は、非喫煙者の女性よりもSTEMIのリスクが13倍以上高くなりました。
一方で、この年齢層の喫煙者の男性は、非喫煙者より8.6倍、高っくなっていました。
調査結果は6月24日にアメリカ心臓病学会誌に発表されました。
著者らによれば、喫煙が、男性より女性の方に、はるかに高いSTEMIのリスクをもたらす理由はいくつか考えられるとしています。
1つは、喫煙が女性のエストロゲンレベルを下げる可能性があるということです。
エストロゲンは動脈狭窄を保護することが証明されています。
また、男性の心臓動脈は女性よりも大きいということもあります。
つまり、喫煙によって引き起こされる慢性的な炎症は、女性の心臓の動脈をさらに狭くする可能性があります。
著者らは、喫煙はSTEMIのリスクを増大させるが、喫煙をやめるとそのリスクは急速に低下すると述べました。
「私たちの研究では、年齢や性別に関係なく、禁煙することでSTEMIのリスクが非喫煙者のリスクレベルにまで、恐れく、1ヵ月以内に低下することがわかっています。」
「喫煙している患者へはその習慣をやめるように奨励する価値があり、この研究は、喫煙をやめることで得られる大きな利点を示す証拠となります。」
と、研究著者でサウスヨークシャー心臓循環器病センターの医師である、エバー・グレッチ博士は述べました。
【以下のウェブサイトより引用】