女性特有の病、医療研機構が研究費助成へ…健康寿命延長目指す
国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」は今年度、骨粗しょう症や子宮内膜症など、女性に多い病気の治療法や予防法の開発支援に乗り出す。
国内では病気の研究が個別に進んでいるが、国として重要テーマを集中的にサポートすることで、現役世代の活躍を後押しし、高齢世代の健康寿命を延ばすのが狙い。
女性には、男性より発症率が高い病気があり、かかりやすい病気も年代ごとに異なる。
同機構は、「骨粗しょう症」「子宮内膜症」「出産後の糖尿病や高血圧」「更年期障害」など主要7テーマを設定。10程度の研究チームを公募、選抜して、それぞれに年間500万~2100万円の研究費を助成することにした。
子宮内膜の一部が、卵巣など周りの組織で異常に増える「子宮内膜症」は、20~40歳代の約1割が発症するとされる。腹部の激しい痛みや不妊を引き起こす。
研究チームは、患者の子宮内膜の細胞や血液成分を調べ、発症原因のほか、出産回数の減少や妊娠の高齢化でリスクが高まる傾向について研究。先端技術を使い、適切な治療法などを開発する。
出産後の女性の「糖尿病や高血圧」は、なりやすい人とそうでない人がいるとみられている。遺伝子の分析などを通じてその原因を探り、具体的な予防策づくりにつなげる。
70歳を超えた女性の3割以上がかかり、発症率が男性の3倍を超す「骨粗しょう症」にも注力する。転倒や骨折により寝たきりにならない暮らしを実現させるため、予備軍を早期に発見する方策を探る。
同機構は今月中旬までに研究チームを公募し、診療経験豊富な現場の医師や、遺伝子解析の専門家などを集める。秋以降に1~3か年計画で支援を進める。
(2015年8月11日 読売新聞)
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