妊娠中のメトホルミンの服用は子供には無害
妊娠糖尿病の治療に関するニュージーランドの研究
妊娠糖尿病をメトホルミンで治療することは、胎盤を通過するという事実にも関わらず、胎児の成長と発達に害を及ぼさないとニュージーランドの研究で報告されています。
米国のノースカロライナ大学のスザンヌ・ランディ博士とオークランドの研究者たちは妊娠糖尿病の女性3,928人について調査を行いました。
対象者のうち約半数はメトホルミン、あとの半分はインスリンでの治療が行われました。
研究者らは、4歳になった時点での子供の就学前の健康記録を分析しました。
関連要因を調整した後、母体にメトホルミンが投与されていた子供とインスリンを投与されていた子供との間での、身長に対する体重z値(身長に対する体重のパーセンタイル)に「有意差」は認められませんでした。
身長体重が85パーセンタイル以上であるリスクは、治療群間では類似しており、小児行動評価結果において、治療群の間で有意差はなかったとJAMA小児科学会の論文で発表されています。
「メトホルミン治療を受けた母親の子供たちは、インスリン治療を受けた母親の子供たちと比較して成長と発達の評価には区別がつきませんでした。」
彼らの発見はより若い低年齢の幼児での健康成果に関する先行研究と一致していると彼らは述べました。
今年初めに7歳と9歳の時点で実施されたこの試験結果からは、胎児のときにメトホルミンに暴露された小児とインスリンに曝された小児の体脂肪率や代謝率にも差は見られませんでした。
これらのまとめとして、この研究は臨床医と患者に対し、「治療の決定を下す際に必要な“メトホルミン治療後の長期アウトカム”に関する重要な情報」を提供しなければならないと結論づけています。