妊娠中の不眠でのデジタル療法は産後うつを予防する可能性がある
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者による新しい研究によると、妊娠中の不眠症を軽減することが以前示された、『認知行動療法(dCBT)』のデジタル療法は、産後うつを予防し、出産後6か月までの女性の不眠症と不安を軽減する可能性があります。
『Sleep』誌の最新号に掲載されているこの研究は、妊娠中の不眠の治療にdCBTを受けたうつ病のない女性も、産後の数か月間、より快適に眠り、産後のうつ症状が少なかったことを示しています。
この研究は、治療が妊娠中の不眠、うつ、不安症状の軽減を示した2020年1月にJAMAサイキアトリー(JAMA Psychiatry )に掲載された研究の追跡研究です。
「特に出産において求められることを考慮すると、不眠に対するdCBTの利点が子供の誕生後も維持されるかを調査したいと思いました。」
と、精神医学の助教授であり、UCSFオッシャーセンターの主任研究教員であるジェニファー・フェルダー博士は述べています。
「不眠症だけでなく6か月間でのメンタルヘルスへの効果が持続していることを特に嬉しく思います。」
妊娠中の不眠は一般的ですが、十分に研究はされていません。
女性の約38%が妊娠中に不眠になります。これは、早産のリスクが30%増加することに関連しています。
それでも、睡眠介入が妊婦に効果的であるかどうかについての多くの研究はありませんでした。
女性の最大で15%に見られる産後うつを予防する方法に関する研究は、うつ病または準臨床的うつ症状の病歴のある女性に焦点を当てています。
不眠症の治療が産後うつ病を予防できるかどうかを研究した研究はありません。
「不眠が始まってから、産後のメンタルヘルスが悪化し始めたと患者が言うのを何度も聞いたことがあります。これはそれらに関連があることを示唆しています。」
とフェルダー博士は述べました。
「産後はうつになりやすい時期である可能性があることがわかっています。そしてこういった介入がそれを予防する可能性があるのです。」
この研究には208人の被験者が参加し、そのうち105人が、『Sleepio』という自己ペースの睡眠アプリを用いて、一度に最大6回のセッションで20分使用するといったdCBT治療にランダムに割り当てられました。
産後3か月の時点で、通常のケアを受けた女性の18%と比較して、うつ病の可能性の高さは、アプリを使用した女性では4%と評価されました。
通常の治療は、投薬や医師や他の人からの一般的な般的な睡眠衛生に関するアドバイスでした。 dCBTはより個別化されており、不眠を永続させることが知られている要因に対処しているため、より効果的に機能する可能性があるとフェルダー博士は述べています。
「参加者は自分の目標を設定することができ、彼らの治療の推奨事項は、前週の睡眠がどうであったかに基づいて調整されます。」
とフェルダー博士は述べています。
「睡眠日誌をつけ、いつも同じ時間に起床し、寝床でゴロゴロする時間を減らし、就寝前には適切なくつろぎタイムを優先するなど、参加者が実践した方法でセッションの間に何が起きたのかが治療マジックとなりました。」
認知行動療法を行うための訓練を受けた精神科医臨床医が不足していることを考えると、女性が実際に利用できる治療法をテストすることが重要だととフェルダー博士は付け加えました。
フェルダー博士と彼女の同僚は、妊婦の不眠でのdCBTが産後うつを予防するかどうかを決定的にするために、近い将来、大規模な研究の実施を計画していると述べました。
さらに、彼女は現在、妊娠中の人々がそれによる不快感や痛み、過敏な神経による不眠の改善を助けるマインドフルネスを基礎とした介入を試験的に行っています。
【以下のリンクより引用】
Digital therapy for prenatal insomnia may prevent postpartum depression
Medical Xpress
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