妊娠高血圧症で女性の寿命が縮まる可能性
2021年3月10日 - 妊娠高血圧は心臓病による早期死亡につながる可能性があると新しい研究が示しています。
妊娠中の高血圧(妊娠高血圧症としても知られる)にはいくつかの種類があります。
慢性高血圧とは、妊娠前に既に高血圧であることですが、妊娠高血圧では妊娠中に測定値が上昇します。
3番目の種類である子癇前症は、妊娠高血圧症の女性の尿中のタンパク質も上昇している場合に発生します。
女性はまた子癇前症を伴う慢性高血圧を患う可能性があります。
しかし、妊娠中に何らかの原因で高血圧を発症することは寿命を縮めてしまう可能性があることを研究者らは発見しました。
この研究では、高血圧が早死の原因であることを証明することはできず、関連があるように見えるだけです。
その背後にある要因はまだ明らかではありません。
「追加の研究がこれらの要因を特定し、そして女性の世話をする臨床医が妊娠中の高血圧とその後の心血管の健康との関連を認識していることが重要です。」
と主任研究者のホルヘ・チャバロ博士は述べました。
彼はボストンにあるハーバードT.H.チャン公衆衛生学部の栄養学および疫学の准教授です。
この研究のために、チャバロ博士のチームは、看護師の健康に関する長期研究に参加した約88,400人の女性に関するデータを収集しました。
この調査結果では、女性の14%が妊娠中に高血圧であったことが示されました。
高血圧または子癇前症の患者、もしくは体重が重い患者は、親にも妊娠糖尿病や、慢性糖尿病および心臓発作または脳卒中の病歴がある可能性が高いことが研究でわかりました。
3月8日にJournal of the American College of Cardiology誌のオンライン版で公開された報告によると、28年間の追跡期間中に、心臓病または血管疾患を死因とする212人を含む2,400人近くの女性が早世していました。
高血圧または子癇前症の病歴は、『早期死亡のリスクが42%高い』ということに関連していました。
妊娠後の食事、ライフスタイル、生殖特性を考慮した後も、このつながりは残っていました。
妊娠高血圧症の病歴のある女性は、心臓病による早死のリスクが2倍以上あることが研究著者により発見されました。
「妊娠中の高血圧と長期的な健康への悪影響との関連だけでなく、慢性高血圧がなくても、これが起こる可能性があることを知っておくことは臨床医にとって非常に重要です。」
とチャバロ博士は述べました。
アメリカ心臓協会のスポークスウーマンであるスザンヌ・スタインバウム博士は、この発見は重要であると述べました。
「これは重要な研究であり、妊娠高血圧症の深刻な影響を実際に示しています。そして彼女の転帰と心血管疾患のリスクに及ぼす深刻な影響を理解することは非常に重要です。」
とニューヨーク市にあるJuhi-Ash統合医療センターの心臓専門医であるスタイン・バウム氏は述べました。
妊娠は、女性が心臓病のリスクを判断するために受ける最初のストレステストであると彼女は述べました。
心臓病は数十年にわたって発症するため、これはおそらく小動脈疾患の始まりであり、体重、家族歴、慢性高血圧にも関連しています。
「これらの危険因子はすでに存在しています。そして、それが意味するのは、それが遺伝的要因によるものであれ、危険因子によるものであれ、妊娠が原因であるということです。
そしてそれをとても興味深いストレスとして見ています。なぜなら、「今、この女性は心臓病にかからないように介入することができるのです」と初めて言うことができ、その結果を変えることができるからです。」
とスタインバウム氏は述べました。
予防は早期に始められると彼女は述べました。
女性は自分のリスクを知り、血圧、コレステロール、血糖値をチェックする必要があります。
「健康的な食事と運動によるライフスタイル介入の概念は、危険因子を減らし、心血管疾患を予防するための最良策となります。」
とスタインバウム氏は述べています。
「こういった女性達については、妊娠する前にライフスタイル介入プログラムを実施することをお勧めします。」
と彼女は付け加えました。
【以下のリンクより引用】
High Blood Pressure in Pregnancy Is Linked to Shorter Life Spans for Women
HealthDay