子供の頃の逆境が早期死亡率に関連
新しい研究の結果は、小児期の逆境が、早期の予防可能である死亡原因の主な原因であり、長期的な身体的および精神的健康を決める強力な要因であることを示唆しています。
コロンビア大学メールマン公衆衛生学部とハーバード大学の研究者は、小児期の逆境が心臓病や癌などの慢性疾患のリスク上昇と関連していることを発見しました。
これまで、子供の頃の逆境が、不健康や死亡の予防が可能な推進力として、死亡にどの程度影響したのは不明でした。
この調査結果はJAMA Pediatrics誌に掲載されています。
コロンビア大学メールマンスクールの疫学准教授であり、研究の共著者であるキャサリンM.キーズ博士は、次のように述べています。
「子供の逆境は、身体的、および精神的健康の強力な決定要因として、一貫して特定されてきました。」
「私たちの研究は、健康負担と予防可能な死亡率の範囲を推定するための、新しい証拠の統合です。生活様式という観点を取り入れた調査結果は、小児期の逆境が米国の病気の罹患率と死亡率および死亡率の予防可能な決定要因と密接に関連していることを示しています。
データベースである『PsycINFO and MEDLINE』 を使用して、研究者は2019年11月中旬までの出版物のメタ分析をレビューし、小児期の逆境と罹患率の結果との関連について調査を行いました。
小児期で常に逆境に晒されていたという状況は、子供とその介護者の人口を代表する調査資料である『全国併存症調査青年期サプリメント(National Comorbidity Survey Adolescent Supplement)』から抽出されました。
20,654,832人の参加者による合計19件のメタアナリシスがレビューされました。
小児期に逆境であったことは、心臓病、癌、自殺などの主要な死因との関連を通じて、米国で毎年約439,072人の死亡を占め、2019年の米国の総死亡者数2,854,838人の15%に相当します。
死因は、性感染症で2,200万件以上、違法薬物使用で2,100万件、炎症の上昇の1,900万件、喫煙と身体的不活動のそれぞれ1,000万件以上を含む、不健康な行動や疾患マーカーと関連していました。
18歳になる以前に虐待、ネグレクト、家庭内暴力、および経済的逆境も含めた、1つ以上の逆境を経験したことが考慮され、 小児期の逆境に起因する結果の最大の割合は、自殺未遂と性感染症であり、それぞれ最大38%と33%を占めていました。
「これらの調査結果は、健康状態が悪くなる危険のある子供を特定し、早期介入を提供する方法として、小児プライマリケアの、早期での逆境経験をスクリーニングする最近の取り組みの緊急性を大きく助長しています。」
とキーズ氏は述べています。
「小児期の逆境を早期死亡の予防可能な要因と見なすことは、行動や資金の投入先として逆境の予防に焦点を当てることに役立つかもしれません。」
「私たちの研究は、健康においての社会的決定要因を予防可能な死因として考慮することが重要であることを示す文献の一つとなります。死因についての考え方を再構成することにより、健康に対処するために利用できるリソースをより効果的に割り当てることができるのです。」
「小児期で経験する逆境の予防と、これらの経験を疾患リスクの上昇に結び付ける経路への介入は、公衆衛生上の重要な優先事項とするべきです。」
【以下のリンクより引用】
Exposure to childhood adversity linked to early mortality
Medical Xpress
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