子宮筋腫の治療選択肢

47歳のアフリカ系アメリカ人女性は、月経時の重い出血および鉄欠乏性貧血で苦しんでいます。
彼女は夜間および終日に頻尿がありました。大腸内視鏡検査では、異常がなく、超音波検査は、そこそこ大きな子宮筋腫が３つ見つかりましたが、癌性のものはありませんでした。 彼女は妊娠の予定がありません。さて、彼女にはどんな治療選択肢があるのでしょうか？

メイヨークリニックのエリザベススチュワート医師によると、筋腫のある 女性にはいくつかの選択肢がありますが、彼女の最良の選択肢を決定することは、彼女の症状、子宮筋腫の大きさ、数及び位置だけでなく、彼女の生殖寿命のどこにあるかなどによって導かれます。

これらの選択肢については、ニューイングランド・ジャーナルで、ステュワート博士の臨床実習の記事に詳しく書かれています。

「出産の計画がない場合でも子宮温存療法は、女性のための利用可能な選択肢である必要があります 。」
と、子宮新種の研究者でもあるスチュワート博士は述べています。
「筋腫摘出、子宮筋腫を除去するための外科的処置は、子宮摘出術の伝統的な代替手段ですが、医療やインターベンション治療のためには他の選択肢があります。選択できる代替療法を決定する前に、筋腫によって引き起こされる症状を最初に考慮しなければなりません。」

子宮筋腫は、生殖期年齢の女性に共通しています。米国では約4人に1人の女性に発症し、特にアフリカ系アメリカ人女性の間で、広まっています。筋腫の生涯有病率は、白人女性の間でほぼ70％に比べてアフリカ系アメリカ人の女性の間で80％を超えています。アフリカ系アメリカ人の女性はまた、日々の活動のかなり多くの深刻な子宮筋腫の症状を有し、かつ、より多くの関連した障害が報告されています。
子宮摘出術は、筋腫のための最も効果的な治療と、新しい筋腫の形成の危険性を排除するのに効果的ですが、
それが唯一の有用な治療法ではありません。それに替わるより侵襲性の低い、代替療法がしばしばあります。
この情報は、特に子宮を温存する生殖能力温存療法を、評価することが報告されているアフリカ系アメリカ人のすべての女性のための希望を提供する必要があります。

＊代替治療の選択肢として、月経時の多量出血の治療

- トラネキサム酸の服用：多い日に摂取する経口抗線維素溶解薬が出血を減少し、また、副作用も少なく生活の質を向上させます。

- レボノルゲストレル放出子宮内避妊器具（IUD）または経口避妊薬：月経出血が減少し、また、避妊を助けます。

-子宮筋腫摘出　：女性は術後、数日以内に仕事に戻ることができるため、外来患者の外科的処置および臨床妊娠の可能性を増大させます。

また、これは、粘膜下筋腫を持つ女性のための唯一の選択肢となりますが、子宮内膜アブレーションは、子宮内膜を破壊するために、熱、寒さや機械的手段を使用していますので、月経出血が減少します。アブレーションは、出産を終えた女性にも唯一の選択肢となります。

＊子宮筋腫のサイズにより引き起こされる病状の治療

－GnRH アゴニスト（GnRHa）製剤　： 月経出血が減少し、子宮体積の減少を引き起こすホルモンの卵巣の生産を止めるお薬です。6ヶ月以内の治療期間です。

－プロゲステロン受容体モジュレーター：　卵巣ホルモンのプロゲステロンの作用をブロックし、子宮筋腫の症状を減少させることで子宮筋腫量を減らしますが、米国では現在利用できません。

－子宮動脈塞栓術：無作為化試験で示されている低侵襲性介入放射線学的手法で、
入院期間の短縮、短期間で通常の活動再開し、手術後も以前と同様の生活の質をもたらします。

－MRIガイド：入院後、超音波手術により切開なしで子宮筋腫を治療することができます。超音波熱を使用し、筋腫そのものを集中的に治療。

「女性自身が子宮筋腫の治療のために利用可能なオプションを知っていることは、極めて重要です。」「また、同様に重要なことは、より良い治療法の開発を支援するために筋腫の研究を継続することです。」と、スチュワート博士は述べています。

出典：メイヨークリニック

記事元：http://medicalxpress.com/news