学校での『マインドフルネスプログラム』は子供の睡眠に大きく貢献

2021年7月8日（ヘルスディニュース）-　おそらく宿題のプレッシャーとSNSの存在のために、子供は思春期が近づくにつれて睡眠が少なくなる傾向があります。

新しい研究は、貴重な睡眠時間が減ってしまうことは避けられないと示唆しています。

研究者たちは、『今、この瞬間』を大切にし、深呼吸、ヨガの動きを含むというマインドフルネストレーニングを学校で行うプログラムが、睡眠不足の危険にさらされている子供たちのその予防に役立つだけでなく、以前よりも多く眠るということに役立つということを発見しました。

「マインドフルネスの実践と、ヨガや呼吸法などといった心身統合を実践することで、身体的および精神的健康においてメリットがあることを示す多くの証拠があります。」

と、カリフォルニア州のスタンフォード大学医学部の精神医学および行動科学のポスドク研究員である、クリスティーナ・チック氏は述べました。

「この特定のプログラムが子供たちにとって有益であることを実証できたことは重要です。」

この調査は、サンフランシスコベイエリアの2つの低所得層（主にヒスパニック系コミュニティ）地域に住む子供たちに焦点を当てました。

一方のグループがマインドフルネスの指導を受け、もう一方のグループは対照グループでした。

どちらのコミュニティにも、高い確率での犯罪や暴力、食糧不安、混雑した不安定な住宅など、睡眠不足の一因となる可能性のあるストレス要因がありました。

3年生と5年生から1,100人以上の子供たちがこの研究に参加しました。

この研究では、非営利団体のPure Edge Incが開発した『Pure Powerカリキュラム』が使用されました。

その後、研究チームは、カリキュラムを使用し58人の子供と、対照群の57人の子供を自宅での睡眠評価を行いました。

それぞれの子供は、カリキュラムの開始前と1年後と2年後の、3回の評価中に、睡眠中の脳活動、呼吸、心拍数、血中酸素濃度を測定するため、電極キャップを頭に装着しました。

理由は不明ですが、対照群のコミュニティの子供たちは、研究の開始前に、平均してより多くの睡眠をとっていました。

カリキュラムを受ける予定だったグループの子供たちは、一晩で約6.6時間の睡眠を取っていました。

しかし、2年間で、対照群の子供たちは1晩あたり約63分睡眠時間が減り、彼らのレム睡眠は安定していたことを研究結果で示されました。

一方、カリキュラムを受けた子供たちは、1晩あたり74分睡眠時間が多くなりました。

彼らはまた、24分間のレム睡眠を獲得しました。これは記憶を統合するのに役立ちます。

「それが役立つと思いましたが、結果の大きさに本当に驚きました。」

とチック氏は述べました。

「睡眠時間の減少から子供を保護するという事実は本当に励みになります。」

子供たちは週2回、体育の時間帯に約2年間このトレーニングを受けました。

彼らの休息とリラックス効果を助けるためにこのテクニックを使うように勧められましたが、睡眠についてのアドバイスはされませんでした。

子供たちが学んだ教訓の中には、自分の手がヒトデであると想像しながら、もう一方の手から人差し指を使って片方の手の形をなぞりながら、深くゆっくりと5回呼吸する呼吸法がありました。

カリキュラムは、神経系を「ハッキング」するために鼻呼吸を使用するなど、子供たちが年をとるにつれてより科学的になりました。

「それは本当に彼らに自制心をもっと持つ方法についての洞察と理解を教えました。そしてそれは、注意深い認識力にも統合されました。」

とチック氏は述べました。

「例えば、あなたはどのように感じますか？より深く呼吸するときあなたはあなたの体ではどのように感じますか？」

などと彼らは尋ねられました。

研究者たちは、最も多くの睡眠をとっていた子供たちがストレスの増加を報告したにもかかわらず、マインドフルネスを行った子供たちは、ストレスを減らしていたためによりよく眠っていたと仮定しました。

カリキュラムがストレスとは何かを理解するのに役立った可能性があることが研究で示唆されました。

ワシントン大学の小児科および思春期医学の教授であり、シアトルチルドレンズホスピタルの医師である、コーラ・ブロイナー博士は、次のように述べました。

「私たちが子供たちに与えることができる最大の贈り物は、眠りにつくことと、確実にではなくとも日没後は安らかな夜を過ごすことです。」

彼女はこの研究に関与していませんでした。

ブロイナー博士によると、睡眠は子供にとって成長期には重要であり、ニューロンの再生や、日中に経験した活動やストレスとなる事柄から体を回復させるなどの効果は大人とっても大事ですが、子供にはそれ以上に大事なものです。

「ある種の技術を使って自分の内面に集中できるようになると、自分の本来持っている能力により眠りにつくことができるようになります。」

とブロイナー博士は述べています。

故意に夜眠ろうとするとあまりコントロールすることはできないかもしれませんが、自分の呼吸や注意を払うこと、そして自分の思考であればコントロールができると彼女は付け加えました。

この研究結果は、Journal of Clinical Sleep Medicineのオンラインで7月6日に公開されました。

チック氏は、次のように述べています。

「このプログラムを彼らの、比較的若く人生の早い時期に始めたという決定に満足しています。なぜなら、これらのスキルはストレス時に利用できる彼らの第二の性質になることを目標としているからです。ストレスを感じているときに自分をコントロールする方法を学ぶのは本当に難しいものです。」

【以下のリンクより引用】

Healthday