実験中のアルツハイマー治療薬がマウスの記憶を改善

以前にうつ病を治療するために開発されたA03として知られている実験薬は、酵素Sirtuin1、またはSirT1のレベルを増加させ、マウスの記憶を改善します。

実験に使用されているマウスは、ある形態の疾患に関連しているヒトにおけるアルツハイマー病の最も一般的な遺伝的危険因子であるApoE4と呼ばれるタンパク質を有するように遺伝子改変されています。

一般的に人口の10％以上の人がこのApoE4遺伝子変異を持っています。そしてその遺伝子変異がアルツハイマー病を発症する可能性を高めるのです。

アルツハイマー病の約3人に2人がその変種を持っているとされています。以前の研究では、ApoE4変異体が脳細胞の健康を促進するSirT1のレベルを下げることが発見されています。

疾患の素因がある場合、またはそれに伴うSirT1のレベルが上昇した場合で症状の発症およびタウとして知られる毒性タンパク質の蓄積を遅らせる可能性があると、研究者らは仮定しています。

これにより、アルツハイマー病患者の認知力が向上します。

UCLAの薬剤開発センターの研究者は、ApoE4の存在下でSirT1のレベルを増加させる能力について、大規模な化合物ライブラリーをスクリーニングしながら、A03を最初に同定しました。

彼らがApoE4モデルマウスを56日間A03で治療したとき、彼らは、マウスの海馬（アルツハイマー病で冒された脳の重要な領域）においてSirT1のレベルが増加したことを観察しました。

マウスはまた記憶試験においても改善が見られました。推定で570万人のアメリカ人がアルツハイマー病を患っており、現在、その進行を止めるための治療法や効果的な治療法はありません。研究チームは、アルツハイマー病の臨床検査の可能性を評価するためにA03についてさらに研究を進めています。

また、脳内のSirT1レベルをより効果的に高める類似化合物を開発しており、これらの努力はこの疾患を治療するための新薬につながる可能性があります。

この研究は医療誌『Scientific Reports』のオンライン版に掲載されています。