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専門家が教える、認知症リスクの減らし方

世界保健機関(WHO)は、認知症を予防するためのガイドラインを初めて発表しました。

これに伴い、リスク軽減には何が効果的で、何が効果的ではないのかという証拠を調べられました。

避けるべきことには、喫煙や過度のアルコール摂取があります。

健康な食生活を送ることは効果的ですが、ビタミン剤を飲んでも認知症リスクに影響はないことが指摘されています。

脳のとレーニングが効果的であるという確かな証拠はないものの、WHOによるといくつかの研究では実行する価値がある可能性があることが示されているといいます。


- 原因
世界中で5千万人以上が認知症を罹患し、より一般的な疾患になりつつあります。

認知症を治癒する治療法はありませんが、発症リスクを下げたり発症を遅らせるためにできることがいくつかあります。

加齢は最も大きな危険因子ですが、年を取ることで自然に発症したり、避けられない結果として発症する訳ではありません。

遺伝も一つの要因ではありますが、危険因子の多くは修正可能です。

専門家らは過去に、ライフスタイルを変更することで3分の1の認知症症例を予防できる可能性があると指摘しています。


- リスクの軽減
ガイドラインでは、以下のことが推奨されています。

1) 運動
高齢者を含む成人は、1週間に少なくとも150分の中程度の強度の運動を行うことを目標とすべきです。
これには、サイクリングなどの計画的な運動や、家事などの日常的な活動が含まれます。

2)喫煙をやめる
喫煙は脳や身体に害があります。

3)健康的な食事
新鮮な野菜や果物を豊富に含んだ健康的な地中海風の食事を摂ることが効果的です。

4)ビタミン剤のことは気にしない
認知症リスク軽減に役立つという証拠がありません。

5)多量のアルコール摂取を避ける
飲みすぎはリスク上昇につながります。
いくつかの研究では、少量の摂取は認知症の予防効果がある可能性が示されていますが、この考えを裏付けるのに十分な証拠は存在しません。

6)脳のトレーニング
いくつかの研究では、脳を鍛えるクロスワードやカスタムメイドのコンピューターゲームなどを行うことで効果がある可能性が示されています。

7)社交的でいる
認知症を止めたり遅らせるという証拠はありませんが、友人との繋がりを保つことは、健康の改善や幸福につながります。

8)健康的な体重を保つ
これは、健康的な食事を摂り、身体の健康維持のため十分に運動することと結びついています。

9)高血圧に注意する
認知症と高血圧の間には強い関連があります。

10)糖尿病を患っている場合は、治療を受ける
血糖値を良くコントロールすることは、認知症を含む関連合併症のリスクを低下させるために重要です。

11)高コレステロール血症に注意する
これは危険因子のひとつですが、コレステロール低下薬(スタチン)がリスクを逆転させるかどうかは明らになっていません。

アルツハイマー病を研究するチャリティー団体であるAlzheimer's Research UKのキャロル・ルートレッジ医師は、このガイドラインを快く受け入れた後、次のように述べています。
「引き継いだ遺伝子を変えることはできませんが、この報告書に記載の方法を実践することで、望ましい方向に進む確立を上げることができます。」

Alzheimer's Research UKのフィオナ・カラガー氏は次のように述べています。
「認知症症例の3分の1は予防できたと推定されており、この報告書には今あるベストな予防方法についてのアドバイスを提供しています。」

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの専門家であるプロフ・ロバート・ハワード氏は、以下のように話しています。
「認知症の発症を遅らせたり止める為の治療法ができるのはおそらく何十年も先のことです。治療法を長年待つよりも、予防する方がはるかに良いでしょう。」

出典:2019年5月14日更新 Science alert 『How to cut your dementia risk, according to experts』(2019年5月16日に利用)
https://www.bbc.com/news/articles/clldg965yzjo