専門病院がインフルエンザのパンデミックの影響を軽減できる

新しい研究によると、インフルエンザの治療に特化したクリニックを開業することで、感染者の数が制限され、「曲線を平坦化」したり、ピークの有病率を低下させたりすることができます。

この研究はインフルエンザに焦点を合わせていましたが、調査結果は、進行中のCOVID-19パンデミックの影響を軽減する方法を模索している政策立案にも関連しています。

「専用クリニックはワクチン接種などの介入よりも影響力は少ないものの、州全体のレベルでは、感染者の総数を6桁削減するだろうと話しています。」

と、この論文に関する対応する著者のジュリー・スワン氏は述べています。

スワン氏はノースカロライナ州立大学の産業システム工学部の名誉教授であり、学部長でもあります。

「そして、ここでの研究はインフルエンザのH1N1株に焦点を当てていましたが、COVID-19にどのように対応するのが最善かを検討する際に、この調査結果は有用です。」

とスワン氏は述べています。

「COVID-19はH1N1よりも感染力が高く、死亡率が高いので、専用クリニックを使用した場合の効果はCOVID-19の方が大きくなると思います。」

スワン氏と彼女の共同研究者は、2009年から2010年のH1N1インフルエンザの大流行が起きた際に一部の病院が専用H1N1クリニックを開設したという事実に触発されて、この研究を行うようになりました。

これらのクリニックは、H1N1の症状を示していた患者の治療にのみ焦点を当てていました。

これらのクリニックが限られたリソースの有効利用であるかどうかについて、当時いくつかの質問がありました。

診療所がインフルエンザ様の症状で専用診療所に現れたが実際には疾患を患っていなかった患者にH1N1を広めるなど、意図しない結果があったかどうかについても不明でした。

この研究では、スワン氏と彼女のパーデュー大学、ジョージア工科大学、エモリー大学に所属する他の共同研究者がシミュレーションモデルを使用して、H1N1パンデミック時の専用クリニックの最終的な影響に関する疑問に答えました。

研究者たちは、専用の診療所を開くことで、特に流行がピークに達する時期、つまりほとんどの人が病気のときに、病気の蔓延と入院が減少することを発見しました。

具体的には、研究チームは、パンデミックの期間中、専用の診療所が開いていれば、診療所は全体の感染数を0.4％〜1.5％減少、ピークの有病率を0.07%～0.32%、入院を0.02%～0.9%削減させたであろうことを発見しました。

「人口が1,000万人の州の場合、ベースラインとなるクリニックの症例の違いは約10万件で、約6,000件の入院が回避されるでしょう。」

とスワン氏は言います。

「言い換えれば、専用クリニックは確かに事態を悪化させず、少なくとも少しは改善することができます。そしてこれらは、実装するのがより困難になる場合がありますが、マスクを着用するなど、他の行動の変化から得られるあらゆる利益に加えられるもう一つの利益です。」

ノースカロライナ州の人口は約1,050万人です。

専用クリニックに関する研究は、インフルエンザの蔓延における集団集会と旅行の役割

そして病気の蔓延における季節と変異の影響、大人と子供のためのワクチンの配布に関連する問題を調査する研究をすでに発表している、より大きな研究での初動段階の一部です。

この「インフルエンザパンデミック時の感染症対策に専用クリニックを開設することの影響（The impact of opening dedicated clinics on disease transmission during an influenza pandemic）」

という論文は、8月6日のPLOS ONE誌に掲載されます。

【以下のリンクより引用】

Medical Xpress