市場に出回る処方減量薬は、肥満の人の減量に役だつ
(HealthDayより)
新しい研究によると、処方ダイエット薬は肥満の人の減量の助けとなることが報告されています。
現在、米国では肥満対策の用途で5種類の薬物が承認されています。
しかし、それぞれ、どのように作用するのかについてはほとんど知られていないと、この新しい研究の主任研究者であるシッダールタ・シン博士は述べました。
29,000人以上の人々を対象とした調査結果では、この5種類の薬は全て効果があることが示されています。
しかし、ある種特定の薬剤のみを少なくとも1年以上服用している人は、よりダイエットがうまくっているようです。
具体的には、Qsymia(フェンテルミン - トピラメート)またはVictoza(リラグルチド)を使用している人は、元の体重を少なくとも5%も落としており、その確率が最も高く出ていました。
一方 、ゼニカル(オルリスタット)を服用している人は、最も低い確率でした。
しかし、サンディエゴにあるカリフォルニア大学サンディエゴ校の助教授であるシン博士は、誰にとっても「最高の」薬はないと強調しています。
彼は、研究チームの数値はグループの平均値に過ぎないと警告しました。
また、各薬剤の副作用はさまざまで、治療の決定には重要な要素であるようです。
「肥満治療は常に各個人ごとのメニューを適用される必要がある。」
とシン博士は述べました。
『肥満協会』の広報担当者であるニックヒル・デュランダール医師は、投与された減量薬に対しては個々に異なる反応を示すということに同意しました。
ラボックにあるテキサス工科大学の栄養科学科の教授でもあるデュランダール医師は、「一般に、あなたがドラッグ「X」を投与すれば、それぞれの患者の反応に幅広い変化が生じるだろう。」と語っています。
(彼はこの研究には関与していませんでした。)
デュランダール医師によると、一部の人々は体重減少が全く見られなかったり、逆に体重が増えてしまうこともあるようです。
彼はまた、魔法の減量薬のようなものはないことも強調しました。
「これらの薬は、食欲に与える影響を少なくしながらの減量には役立ちます。」とデュランダール医師は説明します。
しかし、食事内容を変更し定期的な運動をする必要があります。
「投薬治療はあなたの減量努力に代わるものではなく、サプリメントなのです。」
研究のため、シン博士のチームは、ベルビック(ロルカセリン)およびContrave(ナルトレキソン/ブプロピオン)、Qsymia、Victozaおよびゼニカルの5つの承認済み肥満薬を試験する28の臨床試験の結果を分析しました。
研究者らは、平均的に肥満の成人が1年以上をかけての体重の減少を助ける上で、各薬剤がプラセボより効果的であることを見出しました。
しかし、特定の投薬は他の投薬よりも、より効果的とも思われました。
Qsymiaを被験した人は、一般的には、プラセボを投与された患者での調査と比べて、ほぼ20ポンド(約9kg)と、最も体重が減りました。
彼らはまた、元の体重から少なくとも5%落とす可能性が9倍高くなったことを研究者らは見出しました。
ゼニカル(Xenical)またはベルビック(Belviq)を服用している人は、最小となりましたが、それでもプラセボの使用者よりも6ポンド~7ポンド(約2.7kg~3kg)体重を落とすという傾向になりました。
ContraveとVictozaの被験者は、プラセボと比較して、一般的に11ポンド〜12ポンド(4.9kg~5.4kg)体重を落としました。
しかし、誰もが恩恵を受けたわけではありません。
シン博士は、すべての薬の研究において、副作用のためにかなりの数の人々が治験から途中で脱落したことを指摘しました。
そして、これらの脱落は特定の投薬でより一般的であったとを、この研究は見出しました。
ContraveまたはVictozaを服用している人は、プラセボの使用者と比較して、副作用に関連しての被験の中止がほぼ3倍ありました。
Victozaの製造元によれば、この薬物は膵臓または腎臓の問題の炎症を引き起こす可能性があるようです。
特定の薬物と個人の体重減少の成功率が異なるように、副作用のリスクも異なるのだろうとシン博士は述べています。
彼は一例としてContraveを指摘しました。
この薬は抗鬱剤ブプロピオンを含んでいるため、自殺思考を起すといった潜在的な危険性についての警告があります。
それは、精神疾患がある人にとって、投薬による影響が懸念される可能性のある場合は最良の選択ではないとシン博士は述べています。
一方、Victozaは2型糖尿病患者の高血圧をコントロールするために処方される注射薬ですので、患者が糖尿病と減量のための投薬を必要とする場合、Victozaは良い選択肢かもしれないとシン博士は説明しています。
ほとんどの治療薬はここ数年で承認されているので、長期的にその効果を維持するかどうかという問題があります。
デュランダール医師は、もっと長期的なデータが必要とされるがそれでも、投薬は肥満をコントロールする上で、重要な選択肢だと述べています。
また、デュランダール医師は、もし投薬がうまくいかなければ、別の薬を試してみることを勧めています。
研究成果は6月14日に米国医学会誌に掲載されました。
【以下のウェブサイトより引用】