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JapanRx / 幸福への欲求がうつ病に関連している

幸福への欲求がうつ病に関連している

研究では、幸福を強く望むと、うつ状態を引き起こす可能性が示唆されました。

イギリスに住む学生を対象に実施されたこの研究では、幸福であることに過剰な価値を感じている人は、強いうつ病兆候を示す傾向にあることがわかりました。

「幸福であることに重きを置きすぎると、自身の感情に敏感になりすぎることで、感情をうまく調節することに苦労することになります。」と、レディング大学が行ったこの研究の共著者であるジュリア・フォクト博士は述べています。

この研究を実施したチームは、幸福に過剰な価値を置くことと、うつ症状の似たような関連は過去にもアメリカで見つかっていたものの、同様の傾向がイギリスでも見られるかどうかは明らかになっていなかったと述べています。

「幸せになりたいと考える人が実際は不幸せであるというのは、非常に興味深い発見だと思います。」と、フォクト博士は言います。

彼女と同僚研究者は、151人の生徒(大多数が女性)に対し、一連のオンラインアンケートを送りました。

このアンケートでは、幸福にどれだけ価値を置くか、幸福がどれだけ感情に影響するか、感情に影響されないように努めること自身にとってどれだけ簡単かどうかといった生徒の態度に関する質問の他、うつ関連症状の度合を問いました。

Journal of Happiness Studiesに掲載された調査結果では、幸福により価値を置く人は、うつ症状のスコアが高いことが明らかになりました。

この関連は、少なくとも部分的には、その人が自身の感情に気を取られ、思考や経験を再構成する能力が低下したことに起因しているようでした。

後者の特性は、うつ病症状にも関連していました。

また幸福を重視することとうつ症状との関連は、部分的に、感情を押し殺すことが起因していました。

「感情を抑制することは、感情を調節する戦略として優れているとは言えません。何かを考えないようにすると、結果としてそのことを常に考えるはめになるからです。」と、フォクト博士は言います。

研究チームはさらに、299人の被験者を対象に同様の調査結果を再現しました。
この際、前回の調査結果が双極性障害患者のように過剰な幸福の経験に起因しているかどうかを確かめるため、アンケートに躁病に関する質問を加えました。

チームはまた、被験者が味わったポジティブな経験の程度についても尋ねました。

結果は再び、幸福を重視する人はうつ症状スコアが高くなりました。
つまり、調査結果は躁病スコアの影響を受けていなかったのです。

しかし、この関連は間接的なものでした。
そして、感情に振り回されると、ポジティブな感情がより煩わしく感じ、良い体験を楽しむ能力が低下することが示されました。

フォクト博士は、この研究は幸福を重視しすぎることがうつ症状を引き起こすことを証明することはできないとした一方、この説は最もらしいと述べています。

彼女は、幸福を重視することとうつ症状の関連は、うつ病患者に限ったことではないと言います。

しかしこの研究にはいくつかの限界があります。
これには、主に女性を対象としていたことの他、被験者は全て若い大学生であったものの、被験者の健康状態および社会経済的地位が考慮されなかったことが挙げられます。

幸福を重視することとうつ症状の関連は国を超えてみられましたが、その他の国の出身、もしくは2重国籍を持つ被験者よりも、イギリス人の被験者に置いてより強く見られました。
すなわちこの関連には、文化的な影響があることが示唆されました。

フォクト博士は、パイプラインの研究では東アジアの調査結果と比較して、西洋人は他人を助けたり家族や友人と時間を過ごすことよりも、昇進などの目標に焦点を当てる傾向にあることが示されていると述べています。

チーム曰く、この結果は、イギリスやアメリカの人々は幸福を追求する誤った方法に焦点を当てている可能性があることを示唆しているといいます。

「ほとんどの人は、自分が幸福を感じるため必要なことを知っており、それは恐らく昇進やその他大きなことを成し遂げることではなく、もっと些細なことであることを理解していると思います。」と、フォクト博士は述べています。

出典 2020年1月6日更新 The Straitstimes『Desire for happiness found linked to depression』(2020年1月20日に利用)
https://edition.cnn.com/2019/12/30/health/volunteering-reduces-pain-wellness/index.html