電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 幹細胞から成長した機能的な毛包

幹細胞から成長した機能的な毛包

スタンフォード・バーナム・プレビス研究所(Sanford Burnham Prebys)の科学者たちは、人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使用し、
皮膚を通して成長する自然に見える毛髪を作り出しました。

これは、育毛業界に革命をもたらす可能性のある大きな科学的成果です。

この研究結果は、本日、国際幹細胞研究会(ISSCR)の年次総会で発表され、優秀賞を受賞しました。

米国では8,000万人以上の男性、女性、子供に脱毛症が見られます。
遺伝、老化、出産、癌治療、火傷、脱毛症などの内科的疾患がこの病気の原因になっています。

脱毛は生活の質を低下させることが多く、不安や憂うつにつながることがある感情的な苦痛にも関連付けられています。

スタンフォード・バーナム・プレビスの開発、加齢および再生プログラムの助教授であり、共同創設者であるアレクセイ・テルスキフ博士は
次のように述べています。
「本日発表した私たちの新しいプロトコルは、私たちの発見を実用を妨げていた重要な技術的な課題を克服しています。」
「これで、ヒトiPSC由来の“真皮乳頭細胞”という無限の供給源を使用して、皮膚を通して成長する自然に見える髪を生成するための高度に
制御された方法が確かな物となりました。これは、細胞ベースの脱毛療法、および再生医療分野の開発における大きな進歩です。」

テルスキフ博士は『真皮乳頭』と呼ばれる細胞の種類を研究しています。
毛包の内側にあるこれらの細胞は、髪の毛の太さ、長さ、成長周期など、髪の毛の成長を制御します。

2015年、テルスキフ博士は、人間の多能性幹細胞から派生した真皮乳頭を作成することによって、マウスの皮膚の下(皮下)を正常に成長させることに成功しました。

テルスキフ博士の研究室のポスドク研究者であるアントネッラ・ピント博士により行われたISSCRでのプレゼンテーションで詳述されたアプローチでは、
溶解性ステッチと同じ材料から作られた3D生分解性の土台を特徴としています。

土台は発毛の方向を制御し、幹細胞が自然に強靭なバリアである皮膚に統合するのを助けます。
現在のプロトコルは、ヒト真皮乳頭細胞と組み合わせたマウス上皮細胞によるものです。
実験は、体毛のない免疫不全の裸体のマウスで行われました。

ヒトiPS細胞からの毛包の上皮部分への誘導は、現在テルスキフ博士の研究室で実験中です。ヒトiPS細胞由来の上皮乳頭細胞と
真皮乳頭細胞を組み合わせると、完全にヒトの毛包を生成することが可能になり、ヒトへの同種移植の準備ができます。

毛包再生に対する他のアプローチとは異なり、ヒトiPS細胞は無制限に細胞を供給し、単純な採血から誘導することが可能となります。

専門医資格を有する整形外科医のリチャード・チャフー医師は、次のように述べています。
「脱毛は多くの人々の生活に大きな影響を与えます。実践での重要な部分は、脱毛症の解決策を求めている男性と女性の両方に関係しています。」

「私はこの画期的な技術を進歩させることで、抜け毛に苦しむ何百万もの人々の生活を向上させることがでるように精進したいと思います。」  

【以下のウェブサイトより引用】
https://medicalxpress.com/news/2019-06-functional-hair-follicles-grown-stem.html